「football fukuoka」中倉一志

【選手コメント J2第21節 福岡-町田】「去年と同じ形で追いつかれてしまったというのは本当に残念」/鈴木惇/圍謙太朗

2018明治安田生命J2リーグ 第21節
日時:2018年6月30日(土)18:03キックオフ
会場::レベルファイブスタジアム/8,492人
結果:アビスパ福岡 2-2 FC町田ゼルビア
得点:[福岡]松田(11分)、岩下(24分)、[町田]中島(83分)、戸高(85分)

◎鈴木惇選手(福岡);
Q:前半は狙い通りに進めていた中で、後半に追いつかれて悔しいドローになりました。
「そうですね。おっしゃった通りで前半は相手のウィークなところを突けたし、相手の攻撃もしっかり封じることができたんですけど、後半相手が1点取るぐらいから、徐々に相手のほうが運動量とかで勝られて、結局、去年と同じ形で追いつかれてしまったというのは本当に残念です」

Q:前半はサイドで数的優位を作って、相手のSBが前に喰い付いてきたところの裏のスペースを狙う攻撃が上手くハマっていたように見えたのですが、その辺りは試合前から準備されていた部分でしょうか?
「そうですね。あそこがウィークになるというのは分かっていたんですけど、後半はうちがそれをなかなかできなかった。運動量のこともあってできなくなって、相手は逆に攻め方を変えずに何度も何度も同じことをやってきて、根負けしてしまったと思います」

Q:去年もそうだったのですが、リードしてからのゲーム運びというのがチームの1つの課題だと思われます。今後に向けてどういった点を修正していかなければいけないと考えていらっしゃいますか?
「すごく大きな問題があるわけではないと思います。もちろん、1失点目がすごく警戒していた形で、それでもやられてしまったというのは問題ですけど、1点目を取られた後のキックオフからいきなりチャンスを作れていますし、得たコーナキックも、もう少しで得点というところでまでになっていて、そこで油断じゃないですけど『まだ大丈夫』というところが、ああいう最後の2失点目のカウンターの時の自分たちの戻りの遅さになってしまっていると思います。とにかく何かを大きく変えることがあるとは思わないですけど、細かいところが一番大事だと思うので、そこを『じゃあ試合の時また頑張ればいい』じゃなくて練習の時からみんなでやっていかないといけないです」

Q:試合の中ではもちろん苦しい時間帯もあると思いますが、そういった時に自分たちで立て直す力というのも今後大切になってくるのではないでしょうか?
「そうですね。でも1失点目から2失点目がちょっと早過ぎたというのもあるし、さっきも言った通り、そのまま回されてポンポンと入れられたのではなくて、自分たちにも間に短いスパンですけどチャンスがあったので、あそこで決めていれば3-1になっていて、そのまま終わったというのもあるし、2-0の時点でも3点目を入れれるチャンスはあったので、そういったところも点を取られてからじゃなくて、あの展開だったら3点目で止めを刺せるチャンスもありました。何かひとつだけ変えれば良くなるとは思わないので、細かいところ、いろいろなところに気を配りながら、みんなで練習からやっていかないと良くなっていかないと思います」

Q:そういった意味では、コミュニケーションの部分が重要になってきますね。
「そうですね。今まで以上にやっていかないといけないので、勝点2を失った感じのゲームですけど、連敗が止まったということと、また次節から後半戦と捉えれば、メンタル的にも仕切り直しができると思うので、前向きに捉えて、今日の課題とかにもしっかり目を向けて、みんなでやっていかないといけないと思います」

Q:今日で前半戦が終わりましたけれども、前半戦の総括をしていただけますか。目標とする勝点には届きませんでしたが、どのように捉えていらっしゃいますか。
「まだまだ勝点的に足りないですし、順位的にも自分たちが目指しているところには足りません。良かった点としたら、21試合あって、どの試合でも勝点3を取るチャンスは間違いなくあったと思いますし、完敗したゲームはないと思うので、そういう面で見ると自分たちには力があると思いますが、今日みたいに細かいところで隙を作ってしまうと『何でだ?』というふうになって、そのまま悪い流れになってしまっている印象があります。何か大きく形を変えるとか、戦術を変えるとかじゃなくて、勝負所でしっかりまとまれるようにとか、今日みたいに90分の中で隙を作る時間をなるべく少なくするためには、毎日の練習でやっていくしかないと思います。もっともっと厳しさが大事かもしれないし、コミュニケーションも足りてなかった部分もあるかもしれないので、そういう前半戦が一つ終わったというのは、前向きに捉えて新しい気持ちで良くしていければと思います」

◎圍謙太朗選手(福岡);
Q:勝点2を落とした印象の強いゲームとなりました。
「前半は自分たちのゲームをしていて、後半の立ち上がりから相手に主導権を握られる形となってしまいました。前半の良かったところは、3バックで両ウィングが広くとれていたので、相手も嫌がっていました。町田はハイプレッシャーで前から来るし、背後が空くじゃないですか。それでボールサイドに寄ってくるので、逆サイドが空くというスカウティングをしていたので、それが上手くハマって2点取れたし、相手の攻め手というのも早め早めに摘んでいたので、前半は完全にこっちのゲームだという印象でした。
「ハーフタイムに2-0というのは一番危ないスコアだよ」というのをみんなで確認して、「0-0の感じで行くし、もう1点先に取ろう」という形で後半に入ったんですけど、後半開始早々に正面でしたけどシュートを打たれて、町田はそういうのでリズムができるチームだと思うし、結構、相手の形がハマりだして、こちらが3バックじゃなくて、5バックぐらいの感じで中に絞らざるを得ない感じになって、前半良かったところが出せなくなってしまいました。縦、縦の勝負になって、向こうも縦に来るし、こっちも縦に行くしで、そうなったらずっと縦の勝負をやっている向こうが強いので、どんどんドツボにはまるじゃないですけど、相手の流れに引き込まれていった印象のゲームでした。
僕たち守備陣が我慢するのは当然ですけれども、攻撃の部分でも縦に行くんじゃなくて、早くポジションを取って、どうにか自陣でもいいからポゼッションをして、陣形を整えてから相手が嫌な形に持っていって、そこから攻めるとかにしておけば時間も使えるし、こっちも体力を温存できるし、逆に相手は嫌だし、体力を削られるので、そこで、自分たちが、もう1回流れを掴めたんじゃないかというのは印象があります。
その中でキーパーができることと言ったら、クリアするところを「最終ラインまで下げていいよ」と声掛けておいて、一番低い位置でもいいから僕が受けて、相手をわざともう1回前に来させて裏返したり、サイドギリギリで受けて逆サイドに振るであったり、いつも惇くん(鈴木)がやっている仕事を、僕とか(岩下)敬輔くんがやれれば、ちょっと流れを変えれたかなと思いますね。でも敬輔くんは、前半からかなり裏のスペースのカバーをしていて、体力的にも限界の中やってくれていたので、そこでやれるのは僕しかいなかったので、そういう攻撃の部分で、もう少し貢献できればよかったと思います」

Q:2-0とリードしている状況で、後半、相手が前への圧力を強めてくることは想定されていたと思いますが、ピッチ上ではどういった声が飛んでいたのでしょうか?
「今日だけじゃなくて、ずっとスカウティングはしていて、去年もこういう感じでやられていますよね。そして、去年は負けまで持っていかれていますよね。だからずっと口酸っぱくスタッフも言っていましたし、僕らも自分たちで言い合っていました。セットプレーも「ニアに速いボールが来るよ」と言われていたし、しかも入り方も言われた通りの入り方だったのにやられてしまったし、2失点目のカウンターのところは、浮いているボールだったし、(古賀)太陽とインスは戻っていたので、もっと全員が戻れたんじゃないかというのもあります。それでも、シュートを打たれた場面は、自分の中でこれしかないという形には持って行かせてはいたんです。そのままゴロでかっさらわれるのが嫌だったので、逆に振らせて折り返しを狙おうと、ミスするタイミングを増やそうというイメージでした。だから自分のイメージ通りにはボールを運ばせたので、あとは最終局面のところでの相手との駆け引きのところで、相手が上手だったかなというところです。
それにしても、2失点ともスカウティングで言ってた通りにやられたので良くないし、しかも、これは負けに等しい試合です。状況的に考えても。3試合で勝点を8も失っていて、自分たちは優勝を狙っているので相当痛いと思います。でも反省しだしたらキリがないので、切り替えてやるしかないですね」

[武丸善章=取材/中倉一志=構成・写真]
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