佐藤隆治氏がドイツブンデスリーガ―のレフェリー研修に参加して感じた選手のプレーエリアとポジショニングのバランス【審判委レフェリーブリーフィング9/11⑤】
9月11日、日本サッカー協会(JFA)審判委員会が今年第四回目となる『レフェリーブリーフィング』をJFAハウスにて開催した。
いつも通り、扇谷健司JFA審判委員会委員長の挨拶の後で、佐藤隆治JFA審判マネジャーJリーグ統括が9月8日開催分までのJリーグでの事象について説明を行った。
その中で「ワールドカップ予選を見ていて、レフェリーのポジショニングがプレーエリアに入りすぎなのでは?」という声があった。
実は昨年末にも「欧州の試合でレフェリーのポジショニングに気を付けて見ているんですけど、この場面だと欧州のレフェリーはペナルティーアークにポジションをとることが多いと思っています。パスワークの中にガンガン入っていって、そこで角度を付けて見ていく。Jリーグの審判は邪魔しないような配慮があるように見えるのですが、そのあたりはどうするのが良いのでしょうか?」という私も感じていた審判批評があったが、
Jリーグとのレフェリーのポジショニングに違いはあるのだろうか?
――あくまで印象なのですが、普通のスローインだと遅延の警告がすぐに出るのですが、ロングスローだとある程度時間を掛けるのを黙認されているというか、スローインとロングスローで遅延行為の基準に差があるように感じるのですが、そこの見解をお聞きしたいです。
「スピーディーな試合、ATをなるべく減らすっていうのは、世界的にもそうです。次のワールドカップでは、交代が何秒など色々考えている情報を耳にします。やっぱりスピードは大事だと思っています。
スローインの部分で言うと、特に後半になってくるとレフェリーがコミュニケーションをとって、場合によっては投げようとしている選手に(なかなか投げなかったため)イエローカードが出るとか、たまに見ますよね。
ロングスローとなると、おっしゃる通り(投げるのに時間がかかるから)アンフェアじゃないかと(思われるのも理解できます)。スローインとロングスローを時間だけで測っていったら、(実はロングスローの方が投げる時間が遅い)そういった事があるのかなと。
ロングスローも1つの戦術ですが、だからといって、凄く時間を使って良いわけではないので、そこはレフェリーがどう現場をコントロールしていくか。
Aチームはすぐ投げる、Bチームは常にロングスローをする。Aチームには時間稼ぎでカードが出て、Bチームのロングスローにはカードが出ないとかはあってはいけない。ロングスローであっても、時間はみないといけない。じゃあどのぐらい許容するかは、これもやっぱりレフェリーの裁量なのかなと思っています。」
――町田×浦和戦で、前半浦和のベンチの前に、町田のロングスロー用のタオルがありました。その日は雨だったので、ビニールに入っていて、その袋を巡って、浦和のスタッフとちょっともめていました。そういったピッチ外の所に、どこまでレフェリーが関わるのでしょうか?
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