無料:読者が選ぶJリーグで最も信頼できるレフェリー(主審)は誰ですか?投票結果発表【審判批評】
この度は多くの投票をありがとうございます。トップ5の票を集めたレフェリーの方のみをご紹介する予定だったのですが、
非常に興味深いコメントも多かったので、そちらから御紹介させて頂きます。
宗像暸レフェリー
「JFLの雰囲気が好きで、チームに拘らず毎節ランダムに試合を見ています。
私が2024年シーズンで1番輝いて見えたレフェリーは宗像暸さんでした。
運動量やポジショニングは他のレフェリーの方々も素晴らしいものを発揮されていましたが、宗像さんはそれに加えて、一つ一つの動きのキレ、シグナルの美しさが際立っており、見ていて「 アート」を感じました。
また、レフェリーサイドのペナルティエリア侵入を巡る攻防を見極める際、
①対角線審判法を守りつつ
②更に大きく膨らんで角度を取りながら③一気に加速して争点に到達する
この一連の動きがとても迫力があり、何より説得力がありました(1試合で必ず数回は見かけます)。
画面上でも、アウトオブプレー時に選手とよくコミュニケーション取っているところを見かけますし、実際に宗像さんの試合で「 荒れ模様」の試合は(私の印象では)見られませんでした。
選手、チーム関係者からも宗像さんの姿勢がリスペクトされているからだと勝手に解釈しています。
今年からJ担当主審になられたのも納得です。まだ20代ですし、椎名さん、中川さんあたりと切磋琢磨しながらPRまでぜひ登りつめて欲しいです。「シュッとした哲学者」みたいな見た目と相まって(眼鏡が似合いそう笑)、余計に気になる存在です。これからも応援し続けます!」
中村太プロフェッショナルレフェリー
「『信頼』ということで、今回も中村主審に一票を投じさせていただきます。
4年前、選手権決勝で中村さんの振る舞いに心動かされて審判ファンになりました。それ以来ひっそり応援していて、中村さんの担当試合はほぼ全て見ています。
2024は広島新スタでの開幕試合に始まり、クラシコ、東京ダービー、トッテナム戦など多くの好カードを担当されました。
J1リーグに限れば、42試合(主審22試合・VAR20試合)を担当されていて、これは1位の試合数でした(主審1位 23試合 池内さん、VAR1位 21試合 吉田哲朗さんで、中村さんはそれぞれ惜しくも2位でした。ちなみに、VARはJ1リーグで通算72試合、これまで最も多く担当されているはずです)。
「VARをたくさんやるとレフェリングが上手くなる」と隆治さんが仰っていた通り、昨季も安定感を維持されていました。
とくに寄り添い力はJリーグ屈指だと思うのですが、相手を尊重しつつ自分の軸も保ちつつ、そのバランスを取るのがとても上手いのでは?と感じます。中村さんだから自然にできているのだろうとも思います。
また、個人的なエピソードになってしまいますが、ファンレターを送ったこともあります。後にPRになられて、お会いできたとき「嬉しくて、本当にがんばろうと思いました」と仰ってくださった。
その言葉に嘘はなかったです。インタビュー記事を拝見したところ(あの投票コメントした者です、ありがとうございました)、レフェリング向上のため諸先輩方からアドバイスを受けたと分かりました。その努力を惜しまない姿勢が近年のパフォーマンスに繋がっているのだなと思います。
ご自身の置かれている立場や求められている役割を理解され、PRキャンプでは率先して盛り上げるなど、行動に移しておられるのもすばらしいと思います。
昨年は、試合会場で元教え子さんと遭遇されているのを見かけました。
「あー! せんせー!!」「今日はよろしくお願いします♡ せんせー、一緒に写真とろー!」
と微笑ましいシーンで、生徒さんからとても慕われていた先生だったのだろうと思いました。審判ファンへ対応してくださる時と変わらない態度で、紳士的でやさしかったです。判定のことやレフェリーとしての考え方、動き方など、専門的な部分は私には分からないので(皆さん日々きちんと向き合ってやってくださっているのでお任せです)、以上の理由になってしまいますがピッチ上でもピッチ外でも、中村主審はファンにとってめちゃめちゃ応援しがいがあって、心から信頼できるレフェリーです!!!」
選手同様に、レフェリーもスポーツですから、審判ファンが増えているのは、自然な事なのかもしれません。中村太プロフェッショナルレフェリーはDVD『セクステット』(参照リンク)でもレフェリングの秘訣を語って頂いたのはもちろん、DVD『国際審判員』でも名前が登場します。その辺はコメントにあるようなキャラクターなのだなと思いました。
他にはデータを元にした投票もありました。
山下良美プロフェッショナルレフェリー
「オンフィールドレビューが1度もなかったということは、大きな判定ミスがなかったことを意味していると思う。判定の的確さと、周囲に流されない、常に公平な審判ぶりが信頼できる理由です」
また、家本政明氏のように『色』をまとったレフェリーも生まれているのだなとも感じます。
福島孝一郎プロフェッショナルレフェリー
「自分が応援してるチームを今年は2回担当していて、現地で見た感想としてストレスなく見ることができた。
福島さんはあまりファールを取らない方なので試合も止まら無いので良くも悪くも好き。
あと、基準も他の方に比べてはっきりしてるので分かりやすい。特に今シーズンのルヴァンカップファイナルは素晴らしいレフェリングだったと思う。今まで見てきた福島さんのベストパフォーマンスと言っても良いぐらい。福島さんだったからあそこまで面白い試合になったと思う。今年42歳とJ1担当の中では比較的若い方ではあると思うが経験は充分だと思うので今季も頑張って欲しい。」
DVD『審判』でも映し出されていたように、福島孝一郎プロフェッショナルレフェリーのレフェリングは、観客の方々にも伝わっているようです(参照リンク)。
今季からプロフェッショナルレフェリーに昇格した方々へのコメントもありました。
上田益也プロフェッショナルレフェリー
「私自身もS2級の資格を有しており、スプリントのフォームやトランジションの切り替えの速さ、毅然に対応する時とコミュニケーションを図る時の表情の使い分けは参考にしてました。
昨シーズンは、安定したパフォーマンスを発揮してた印象。観戦しに行った試合の主審が上田さんで初めてお会いできた際、ピッチインスペクションでゴール裏を通る時に声掛けたら、笑顔で対応していただき、より応援したくなりました。」
長峯滉希FIFAレフェリー
「笛で止まる時間が少なく、リスタートの瞬間なども選手の意図を読んでいる」
「J2の試合のエスパルス戦レフェリングを見ていると、しっかりとした基準でファールを取るか取らないかを考えており、立ち位置が良いおかげでオフサイドのポジションのキーパーへのインパクトなどをしっかり見ているから」
「去年の広島柏戦、J1デビューと知って不安だった試合前でしたが、いい意味で主審が目立たず、でもしっかり試合はコントロールされてて、ノーストレスで見ることができた試合でした。」
では、トップ5を発表させて頂きます。
第五位は谷本涼FIFAレフェリー。
「PR2年目で海外派遣も増えた中怪我なくかつ批判となる試合も無かったので、谷本さんにさせて頂きました。また推しということもあり、選ばせて頂きました!」
コメントこそ少なかったものの、票が多く集まりました。
第四位は勇退された西村雄一レフェリーです。
「安定している」
「ワールドカップやその他の大舞台で経験したものは他の人にはない。その経験値と現代のサッカーを理解してレフリングしてる印象。選手とのコミュニケーションがうまい。」
「両チームの総監督のような目線で、それぞれのチームの戦い方の良いところを発揮させるようにレフリングしていると感じます。
人間なので判定ミスの発生は仕方ないとおもいますが、選手が怪我をしないよう配慮し、サッカー本来の面白さを引き出していると感じます。
審判は反則判定員になったり、自分が試合をコントロールするのではなく、選手が怪我をしないよう、またアメフトやラグビーのように手や腕で相手を抱え込んだりせずに上手く身体を使って、お互いの持っている力を発揮させて得点を競い合う所に魅力があり、観客も感動すると思っています。選手目線からすると、「今の笛は仕方ないな」と言われ、観客目線からすると「笛が多すぎる(ゲームが止まってつまらない)&流し過ぎだよ(早いタイミングで笛を吹いておけば荒れないで済んだのに)」と感じることがなく、選手も怪我なく、沢山得点が入る試合を見たいです。」
「経験豊富なレフェリー、人柄もとても良い、引退がまだまだもったいないと思う。これから若手の育成に尽力してもらえることに期待する!」
そして、同数を獲得したのが
高崎航地FIFAレフェリーです。
「毅然としたレフェリング!」
「厳格にPKの水かけ問題に向き合い一石を投じた」
「努力し積み上げ、更に向上心を持っている」
高崎航地FIFAレフェリーへのコメントを拝見させて頂いて勉強になったのは、読者の方のサッカー観がレフェリーに求める事に繋がる点です。高崎航地FIFAレフェリーへのコメントで一番多かったのが、“PKの水かけ問題”への対応です。賛否わかれる事象への高崎航地FIFAレフェリーの対応は、フットボールにあるコモンセンスの部分とも言えます。高崎航地FIFAレフェリーと似たサッカー観を持つ方々からの票を得たとも言えるのかもしれません。
第三位は荒木友輔FIFAレフェリー。
「大きなジャッジミスが少ない。」
「レフェリングの基準がブレず、数年間のパフォーマンスを見ても安定しているから。」
「タフさをキープしつつ、日本人審判にありがちなカードを出すべきなのに出さないということがない。」
「言わずもがなトップレフェリー。大きく崩れず、タフな基準で通年ジャッジできる。」
「圧倒的走力」
「ファールは流し目でテンポよく、ファールの判定なども観ていて納得感がある」
第二位と第一位のレフェリーと違い、海外からの票がありませんでした。現在38歳で、FIFAワールドカップ2026 アメリカ・カナダ・メキシコ大会、2030bidsに関わる可能性が高く、これから海外でのプレゼンスも上がっていくはずです。荒木友輔FIFAレフェリーのレフェリングについては、DVD『国際審判員』(参照リンク)で語って頂きました。
第二位は元FIFAレフェリーの木村博之プロフェッショナルレフェリー。
圧倒時に多かったのが海外からの「信頼している」というコメント
「I like the way he control the matches and some fair decisions」
– Experience and expertise
– Ability to manage the match
– Objectivity and fairness
– Ability to handle stressful situations
– Good communication skills
– Ability to work under pressure from fans and coaching staff
– Flexibility and adaptability
– Transparency and accountability
– Ability to use VAR effectively
– **Ability to coordinate with the VAR team**
– **Ability to analyze and evaluate situations thoroughly**
– **Always performs well in the VAR role**
Ability to coordinate with the VAR team
Ability to analyze and evaluate situations thoroughly
Always performs well in the VAR role
加えて国内からも
「安定感・納得感・コミニュケーション能力、去年は飯田さんの年だと思います。」
「木村さん試合になると、いつも以上にThe Footballという試合になるので、良いなと。
2023年の12月の天皇杯決勝がまさにそういう試合でした。+なるべくカードを出せずにどうコントロールするかの部分での上手さがあるなという私の印象があります。」
「ブレが少なく、こう判断したのだなと理解できる判定が多かったように思います。公平だなと思えるジャッジでした!」
多くの票が入りました。木村博之プロフェッショナルレフェリーには、インタビューにてDVD『審判』でも映し出されたレフェリングについても訊いています(参照リンク)。
そして、第一位に輝いたのは飯田淳平FIFAレフェリーです。「安心感」「納得感」「ジャッジの説得力」という多くのコメントが集まり、
「悪目立ちするようなジャッジもなく的確な状況判断と威圧的じゃない選手への対応。素晴らしい審判」
「一貫した判定基準、反対の根拠が明確、選手へ説明が簡潔」
「これぞ飯田さんといったマネジメントが多く見られたから」
「昨年は海外派遣も多く中々国内で笛を吹くのが少なかったイメージはあるが、担当した試合は荒れたり後日ジャッジが話題になったりなどはなく安定したパフォーマンスを見せていたと思う。中でも川崎磐田のゲームは見事で上手くVARと連携をとり、キャプテンを呼んで状況を説明するなど流石の対応だと思った。説明も分かりやすくプレイヤーをさん付けや~選手と言っているとこも好印象。それにあの混戦の中でハンドぽいと言っているのがすごいと思った。」
「判定で疑問をもったことが少ないですしコミュニケーションをよくとられているので安心感があります。」
「明確な基準をもって、観てる側、プレーする側にストレスを与えない立ち振る舞いがいつもすごいと思うから。」
「レフェリングの基準のブレが少なく安定しているため。」
「安定した判定基準と円滑なコミュニケーション」
海外の方々からのコメントも多く、
「I’m a big fan of Japanese referees (including Mr. Iida) because I’ve been watching him for more than 2 years – I really like the way he controls the game with the fairness and responsibility of a professional referee. . (And I’m a fan from Vietnam)」
「知識と経験、コミュニケーション能力、プロ意識、状況に対処する能力、 サッカーというスポーツの発展に貢献し、ちょっとかわいい」
最年長FIFAレフェリーがMVRを獲得されました!
*コメント頂いた皆様、全てのコメントを紹介できずに大変申し訳ございません。