【サッカー観戦術/ゲームの流れ】試合を見る際に重要な4つのフェーズ
【サッカー観戦術/ゲームの流れ】
■試合を見る際に重要な4つのフェーズ
注目するチームのスタイルを知るには、「4つのフェーズ」に注目します。「フェーズ」は、「局面」を意味します。この用語は、ビジネス用語として用いられます。例文として、「この工程が完了したので、第2フェーズに移りたいと思います」などが挙げられます。つまり「フェーズ」とは、人に局面の状況を伝えるときに用いる用語になります。サッカーで言えは、「4つの局面の状況」が挙げられます。「4つのフェーズ」は以下になります。
①ボールを持っている状況(ボールポゼッション)
②ボールを奪われたときの状況(攻撃から守備への切り替え)
③相手がボールを持っている状況(被ボールポゼッション)
④相手からボールを奪ったときの状況(守備から攻撃への切り替え)
海外サッカー情報誌「フットボリスタ」で紹介されたイタリアのWEBメディア「ウルティモ・ウオモ」で伝えられた用語として、②の(攻撃から守備への切り替え)を「ネガティブトランジッション」と呼び、④の(守備から攻撃への切り替え)を「ポジティブトランジッション」と言っています。「トランジション」は「切り替え」の意味ですが、どうしてこの2つのフェーズに新しい用語が与らえたのかが大切なことなのです。
新しい用語が登場するのは、新しい視点が導入されたからなのです。従来とは違った視点が必要とされたので、新しい用語でその違った部分を表現する。つまり、過去のサッカー用語では表現しきれない部分が、②の(攻撃から守備への切り替え)と④の(守備から攻撃への切り替え)の中に見られるのです。
ボールを持っている状況から相手にボールを奪われたら、奪われたチームはどんな対処をするのか。または、ボールを相手チームに持たれている状況からボールを奪ったのなら、奪ったチームはどんな対処をするのか。ボールを奪われたとき、またはボールを奪ったときに「どんな対処」をするのかに強くフォーカスされている。なぜならば、その局面の状況に「新しいやり方」が取り入れられているからなのです。
①から④の状況は、ボールがどのような状況にあるのかを示していて、サッカーはこの4つのフェーズを順番に繰り返すゲームだと言えます。
それでは、①の「ボールを持っている状況(ボールポゼッション)」から解説します。
川本梅花