川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】フォーメーションとはなんですか?【無料記事】1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

フォーメーションとはなんですか?

サッカーの見方にとって最も重要な三つの用語の話をします。これらの用語は、専門誌や実況などで頻繁に使われます。筆者の試合分析記事でも表れます。これら三つの用語を混同してしまうと、サッカーを理解しているようで、全く理解していないことになってしまうので、用いる時には注意が必要です。三つの用語を説明するために、ある高校生と彼が所属する高校サッカー部監督との会話を紹介しながら話を進めましょう。

高校生の名前をHとして、監督の名前をAとします。それは、練習が終わったある日のことでした。Hは、フォワード(FW)の守備に関して疑問を持っていました。練習や試合の中でHは、そのことでずっと悩んでいます。彼はやっとのことで、抱いた疑問をA監督にぶつけることにしました。

HはA監督に尋ねます。

「FWのディフェンスはどうすればいいんですか?」

するとA監督は、グラウンドにゆっくりと座り込みます。Hにも同様に、座って話を聞くように促します。ピッチが書かれた携帯用のボードを用意して、Hに質問をします。

「うちのフォーメーションはどうだった?」

「1-4-4-2です」

とHは答えます。

ここで「フォーメーション」という用語が出てきます。「フォーメーション」とは、Hが話した通り「1-4-4-2」の表記で分かるように、選手それぞれを横のラインから見て、その並びを単純に数字で表したものです。「1-4-4-2」だと、ゴールキーパー(GK)が「1」です。次の「4」はディフェンダー(DF)になります。続く「4」ですが、ミッドフィルダー(MF)のことで、最後の「2」はFWを指します。「フォーメーション」は、あくまで人数の並びを数字だけで示したものです。

日本では「4-4-2」と表します。これは筆者もそうなのですが、最初のGKの「1」を省いて書いています。それは、GKはフィールドプレーヤーではないからです。しかし、オランダやスペインのメディアでは、GKの「1」を省かないで「1-4-4-2」ときちんと表されます。省略しない主な理由は、GKがDFにボールを渡してゲームを組み立て始めるやり方を取るので、GKもボールを使うフィールドプレーヤーの一員と考えるからです。近年は特に、GKからのビルドアップが重要視されています。

次は、システムについて話します。

川本梅花

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