川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】システム上のメリットを考える【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

システム上のメリットを考える

⚫︎赤のチームから見た可能性 ③−システム上の数的不利(守備)

赤のチームの中盤は、3人のミッドフィルダーが逆三角形を形成しています。それに対して、青のチームは中盤にボックス型を敷きます。

赤のチームが中盤3人:青のチームの中盤4人=「赤のチームの数的不利」

⚫︎赤のチームから見た可能性 ④−システム上の危険なフリースペース(守備)

赤のチームの両サイドバック(SB)が、攻撃参加するために前に出てきた場合、青の両サイドハーフ(SH)から見て、前方にフリースペースが生まれます。両SHにマークが固定されていないと、そのスペースを利用されるかもしれません。

ここまでが守備に関する、システム上の数的優位と数的不利の可能性を述べました。次は、赤のチームから見たシステム上のメリットを見てみましょう。

⚫︎赤のチームから見た可能性 ⑤−システム上のメリット(攻撃)

赤のチームのフォワード(FW)が3人いて、特に両サイドのFWが青のチームのSBと1対1になる可能性があります。両サイドに張る2人のFWにボールがうまく収まれば、赤のチームの攻撃チャンスが増えるかもしれません。さらに、トップにいるFWが、青のチームの2人のセンターバック(CB)の間にポジショニングするので、「浮いた状態」になります。青のチームの2人のCBが、FWのケアに戸惑いマークにズレが生まれる可能性があります。そうした一瞬のスキをつけば、FWはフリーになれる可能性が生まれます。

⚫︎赤のチームから見た可能性 ⑥−システム上のメリット(攻撃)

両チームの中盤に関して、赤のチーム3人に対して青のチームは4人です。システム上は、3対4で青のチームが数的優位になっています。しかし、青のチームの両SHが高い位置をキープして攻撃参加したならば、中盤の構成が変わります。赤のチームの3人に対して青のチームは2人になります。つまり赤のチーム3人に青のチームは2人で対処しなければならないのです。問題は、赤のチームの逆三角形の底にいるセンターハーフ(CH)1人がフリーになれることです。青のチームが何もケアしなければ、赤のチームのこのフリーなCHに自由を与えてしまうことになるのです。

では、赤のチームのフリーになれる中盤のCHを、青のチームはどのようにケアすればいいのでしょうか?

川本梅花

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