川本梅花 フットボールタクティクス

【連載】ミドルシュートはクロスバーを狙います【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】

ミドルシュートはクロスバーを狙います

試合を見ていると、選手がペナルティエリアの外からシュートを打つ場面があります。その時に、クロスバーを超えて蹴られたボールが大きく外れるシーンを目撃したことがあるでしょう。そんな場面を見ると、「はぁ」というため息とともに「枠に蹴れないのか?」と思ったことがありませんか? なぜ、クロスバーを超えてしまうのでしょうか? あるいは、強烈なミドルシュートが、クロスバーに弾かれてゴールできなかった場面を見たことがあると思います。なぜ、クロスバーに弾かれてしまうのでしょうか?

その答えは簡単です。キッカーは、クロスバーを狙って蹴っているから、ボールがクロスバーを超えたり、クロスバーに弾かれたりするのです。

ミドルシュートとは、ゴールから約20メートル離れた場所から蹴られたシュートのことです。20メートルという距離を見れば、けっこうゴールから離れています。そのために、強いシュートを打つ必要があります。弱いシュートだとゴールキーパー(GK)の正面に飛んでしまいます。だから、GKにキャッチされないような強さと高さが必要なのです。

ただし、キック力があればシュートが決まるとは限りません。キッカーが、GKがどこに立っているのかも見ないとなりません。そうした状況判断をしてから、キッカーはクロスバーを狙ってボールを強く蹴り込むのです。GKよりも高い位置にあるクロスバーを狙って蹴れば、ちょうどいい地点でボールは落下してきます。つまり、最初に蹴られた速度から時間が経過することで、速度が落ちてボールが落下するのです。そのちょうどいい地点が、クロスバーに当たる前なのです。ジャンプするGKの手をすり抜けて、ボールがゴールに吸い込まれます。そのためにも、ミドルシュートを打つ時は、クロスバーを狙って蹴るのです。

川本梅花

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