【サッカー観戦術/ポジションの役割】「ハーフスペース」ってなんですか?
【サッカー観戦術/ポジションの役割】
■「ハーフスペース」ってなんですか?
海外サッカー情報誌「フットボリスタ」の記事を紹介した際に、中村 憲剛氏が「サッカーの言語化」について語っていて、そのなかで「ハーフスペース」という用語が出てきたので、本コラムでは簡単に説明します。
【コラム】中村憲剛は浦和レッズのサッカーをこのように語った【無料記事】「footballista J」(2021年8月増刊号)
通常、サッカーのポジショニングの分割は横のラインで考えられています。たとえば、「4-4-2」の4バックで中盤がボックスの2トップのシステムの場合、4人のディフェンダー(DF)と4人のミッドフィルダーと2人のフォワード(FW)の並びを横のラインで分割して、3ラインと呼んだりします。
ポジショニングを分割する際に、横ではなく縦に垂直に分割することもできます。真ん中のセンターと両サイドがあって、そこに挟まれたスペースを「ハーフスペース」と言います。縦に分割してポジショニングを考えることを「5レーン理論」と呼びます。
5つのレーンを採用して各選手のポジションを考えれば、「こういう条件の時はここに位置する」というような具体的な約束事を決めることが可能になります。こうした約束事を「プレーモデル」と言います。
「プレーモデル」は、ある特定の条件下での事象への対処になりますから、様々な対処が想定できます。様々な対処の中でも最も重要とされるのが「トライアングルを作る」ことにあります。選手が三角形になってポジショニングします。トライアングは、選手間の適切な距離感を保ちながらプレーすることができるのです。
ピッチを垂直に5分割する「5レーン理論」によって、「ハーフスペース」という空間が注目されるようになったのです。