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宇都宮徹壱ウェブマガジン

日本人がセルビア女子代表を撮影しても違和感がない理由 石川美紀子(フィールドワーカー&フォトグラファー)<3/3>

女子サッカーを観たこともないのにUEFAの女子CLを撮影

──ここからは、石川さんがチームフォトグラファーを務めている、FKスパルタク・スボティツァの女子チームについて伺いたいと思います。このクラブとの接点は、男子チームでプレーしていた志村謄選手がきっかけだったそうですね?

石川 そうです。志村選手は、今はタイのポートFCに所属しているのですが、最初に出会ったのはモンテネグロでした。それで、ちょうど彼がスパルタクに所属していた時に、私もスボティツァにアパートを借りていたんです。それまで住んでいたベオグラードの物価が、円安で急に高くなったこともあって。

──スボティツァはヴォイヴォディナの北にあって、ハンガリーとの国境に接している都市なんですね。ベオグラードからは、どれくらい離れているんでしょうか?

石川 バスで3時間ぐらいですが、向こうの感覚だと通えないこともない距離感です。そこそこ大きな街ではあるんですけど、ベオグラードほど腕のいいフォトグラファーがいなかったので、私にチャンスが巡ってきたというのが実際のところです(笑)。

──このスパルタクですが、現地の女子リーグではどれくらいのステイタスなんでしょうか?

石川 今季は厳しい戦いを続けているんですけれど、女子は国内14連覇するくらいの強豪です。ベオグラード勢なんかよりも、はるかに実績がありますね。

──セルビアにいた時、女子サッカーはよく観ていたんですか?

石川 ぜんぜん!

──それがなぜ、女子サッカーを撮影するようになったのでしょうか?

石川 たまたまUEFAの女子CLがスボティツァで開催されたんです。他に10くらい会場があって、セルビアでは何年かぶりに開催されることになったと。それでフォトグラファーを調達しなければならなかったんですが、知り合いの新聞記者の紹介で、たまたま現地で暇にしていた私にお声がかかったというのが真相です。

──UEFAの大会だから、相当なプレッシャーがあったのでは?

石川 よくわからなかった、というのが実際のところですね。交渉が全部セルビア語だったので、女子サッカーというのは理解できたんですが、UEFACLという自覚はなかったんですよ(苦笑)。記者の友人からは「大丈夫、美紀子なら絶対にできるよ!」とか言われて。そういう妙にポジティブなところが、実にセルビアっぽいんですけど。

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