なぜ東京ヴェルディはヴェルディカレッジを立ち上げたのか 佐川諒(パートナー営業部シニアディレクター)<2/2>
<2/2>目次
*ヴィッセルカレッジでの反省をヴェルディカレッジに
*プロスポーツクラブで働くために必要な3つのスキル
*「頑張っている人が正しく評価される文化を作りたい」
■ヴィッセルカレッジでの反省をヴェルディカレッジに
──佐川さんも大学時代、ヴィッセルカレッジというものに出会って、それがスポーツビジネスとのファーストコンタクトとなったことをnoteで読みました。今から10年以上前の話だと思いますが?
佐川 13年前ですね。僕がいた大学(神戸学院大学)が、ヴィッセル神戸のスポンサーだった関係で、ヴィッセルの社員さんが毎週大学で講義をしてくれていたんです。たまたま1期生の学生が、後輩である僕らにスピーチする機会があって、その内容にものすごく圧倒されたんです。「今のままでは、絶対にあそこまで追いつけない」って、むちゃくちゃ危機感を覚えて、それでヴィッセルカレッジにエントリーしました。それが2年の時で、3年と4年の2年間、ヴィッセルカレッジに通いました。
──ヴェルディカレッジが採用の基準のひとつにしている、ハングリーさをもった学生だったわけですね。それで当時は、具体的にどんな将来像を思い描いていたのでしょうか。
佐川 あまり考えてなかったですね。最初は「スポーツの仕事ってあるんだ」くらいの温度感で、ヴィッセルカレッジに入ってからは「Jリーグクラブで働きたい」と、漠然と思うようになった程度です。でも今思うと、ぜんぜんダメでしたね。
──といいますと?
佐川 この前、実家に帰ったときに当時のノートを見つけたんですよ。そこには「ホームタウン担当になって地域の人を幸せにしたい」と書いてあったんですけど、本当にそう思っていたかというと、けっこう疑わしくて(苦笑)。というのも、ヴィッセルカレッジを運営していた人がホームタウン担当で、その人の仕事しか当時の僕は知らなかったわけですよ。Jクラブにはホームタウン以外にも、広報とか営業とか普及とか、さまざまな職種があります。そういった知識や視点が、まったくなかったのが当時の反省点でした。
──ヴェルディカレッジでは、そうした反省点を生かしている部分もかなりあると思います。とはいえ13年前と今とでは、学生を取り巻く状況もかなり違っていますよね?
佐川 おっしゃるとおりです。まず、情報の量がまるで違いますね。僕が大学生だった13年前、インターン自体がほぼなかったので、どんな仕事をしているのかがまずわからない。そうした情報をネットで見つけるのも一苦労でした。今は逆に情報が溢れ返っているので、どの情報が自分にとって必要なのかを見極めるのが大変ですよね。
──そんな中、佐川さんがやられているスポンサーセールスという仕事について、学生はどれくらいの理解と憧れをもっているんでしょうか?
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