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【無料公開】森保監督「さらにゲームコントロールして勝てるように」ワールドカップ・アジア2次予選、キルギス戦会見(2019年11月14日@ビシュケク)

<登壇者>

日本代表 森保一監督

森保 内容は別として、勝ち点3を完全アウエーの中で積み上げて一歩前進できたことは、収穫だと思っています。われわれを応援してくだる、日本代表のサポーターの皆さんに勝利をお届けすることができてよかったです。

 内容ですが、雰囲気が完全アウエーでピッチも(コンディションが悪く)ミスが多く出る中、キルギスが仕掛けて来る攻撃に対して多くのピンチがありましたが、選手たちが我慢強く、辛抱強く、タフに粘り強く戦ってくれて、セットプレーから2得点で勝ててよかったです。ただ、われわれのレベルアップのために、さらにゲームコントロールして勝てるように、成長を目指していきたいです。

──中島ではなく原口を起用した理由は? それから前半、相手の3バックとのミスマッチがあったが、ハーフタイムにどう修正したのか?

森保 まず原口の先発起用に関しては、これまでの(2次予選の)3戦もそうですが、完全に固定にしているわけでないこと。チーム力を上げるために、選手の起用を考えてということで入れました。原口に関しては自分のチームで常に試合に出ていますし、コンディション的にもいいということで起用した。

 もうひとつのポイントですが、相手の2番の選手を起点に大きな展開をされて後手を踏むことはありました。試合前から分析の中で、キルギスのストロングポイントということがわかっていたので、止めようとしたのですがミスマッチで上手くいかなかったと。試合途中からハーフタイムにかけて、相手のストロングポイントの確認して選手を送り出しました。

──いつもと違は違って、長いボールを前線に送って、永井や伊東がしっかり追っていたことが効果的だったのではないか?

森保 おっしゃるとおり、キルギスはディフェンスラインからビルドアップもできますし、長いボールから一気に展開を変えるパスも出せる、非常にいい選手が揃っています。その中で、前線の選手が非常によくプレッシャーをかけてくれたので、守備の選手の負担が軽くなったと思っています。攻撃に関しては、選手はパスでつないで崩すこともトライしながら、ピッチ状態から背後にボールを送って、伊東であり永井でありがスピードを活かす判断をしていたと思います。

──攻撃も守備も狙いとしていた展開だったと思うが、ゲームコントロールしきれていなかったというのは、相手の攻撃が思ったよりも強かったからか?

森保 去年、日本でキルギスとは対戦していますが、アウエーでの戦いは同じような展開にならないと思っていた。その意味では、非常にパワーもテクニックもあるキルギスの攻撃力は予想していました。選手が後手を踏む場面も多かったので、そこは次に当たるときにしっかり警戒していく必要があると思います。

──キルギスとタジキスタンを比較してどう思うか(地元記者)

森保 キルギスとタジキスタンは、スタイルも違いますので一概に比較はできないと思います。両方に良さがありますし、比較は難しいと思います。今日のキルギスに関しても、前回のタジキスタンも、国を背負って戦ってくる魂のこもった戦いに苦しめられました。

 またキルギスは、非常に技術が高いと感じました。ピッチ状態が良くない中、ドリブルは上手かったですし、日本が剥がされることもあったと思います。長いボールも短いボールも使って、丁寧に組み立てもできる、すごく攻撃力のあるチームだと思います。

──あなたがキルギスの監督なら、どういうことを改善すべきだと思うか(地元記者)

森保 チャンスは作っていたので、最後に得点するところかなと思います。が、今は日本の監督なので、キルギスの攻撃力と決定的なチャンスに対して、日本の選手は粘り強く守り抜いたことを、われわれは続けたいと思います。

<この稿、了>

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