【無料公開】新天地で充実するふたりの指揮官(2018年4月25日@味スタ)
ゴールデンウィーク直前の水曜日は、J1のFC東京対サンフレッチェ広島を取材。思えばミッドウィークの取材も、味スタを訪れるのも、実は今季初めてである。FC東京は現在2位、そして広島はぶっちぎりの1位。このカードが「天王山」となることを、シーズン前に予想した人は決して多くはなかったはずだ。
- 2位とは9ポイント差で首位を走る広島。連戦を考慮してスタメンを3人代えてきた。
- 迎え撃つFC東京は、怪我のチャン・ヒョンスに代わって丸山祐市がスタメン入り。
- 広島は序盤、ペナルティーエリアに侵入するディエゴ・オリヴェイラを倒してしまう。
- タイミングを巧みに外したディエゴ・オリヴェイラのPKに、GK林卓人は一歩も動けず。
- その4分後、ディエゴ・オリヴェイラのアシストから今度は永井謙佑が追加点を挙げる。
- 2点リードで折り返したFC東京は51分、ディエゴ・オリヴェイラが決定的な3点目。
- 広島も反撃。パトリックのシュートはブロックされるも、途中出場の稲垣祥が押し込む。
- 広島は68分、工藤壮人を投入して攻勢を強めるも、FC東京の守備は最後まで崩れず。
- 1−3で敗れた広島。キャプテンの青山敏弘は悔しさをにじませてゴール裏に向かう。
「今季初めての敗戦だが、求められるのは切り替えること。リーグ戦でも負けると、これだけ悔しい。この気持ちを大事にして次の試合に臨みたい」(広島・城福浩監督)
「われわれは初めから、すべて出しきって挑むしかなかった。駆け引きせずに試合に集中して入ったのがよかった」(FC東京・長谷川健太監督)
2位のFC東京が勝利したことで、広島との勝ち点差は6に縮まった。さらに1ポイント差で川崎フロンターレ、北海道コンサドーレ札幌、セレッソ大阪が追走しており、ワールドカップ中断前には、上位陣はさらに混戦模様になりそうな気配である。
それにしても、勝った長谷川監督も敗れた城福監督も、新天地でこれほど早い段階から結果を出すとは、当のサポーターにとっても嬉しい誤算だったのではないか。ふたりの指揮官の充実ぶりを確認できたという意味でも、このカードを選んで正解であった。
おりしも、今後の日本代表監督の人事は「日本人路線で」という方針で決まりそうだ。その是非はともかく、彼らもその候補者として推挙される可能性は、十分にあり得るのではないか。
<この稿、了>