宇都宮徹壱ウェブマガジン

川崎フロンターレを「永遠の二番手」とさせているのは何か? ルヴァンカップ決勝で感じた「宿命」と「希望」

 日本代表の欧州遠征取材に向かう途中、早朝の成田エクスプレスの中でこの原稿を書いている。成田空港までのアクセス、チェックインからボーディングまでの待ち時間、それよりもさらに長いフライト。海外取材のプロセスは、一見面倒なように思えるかもしれないが、少しずつ「海外モード」に切り替えていく上で極めて重要である。空港に向かう今の私は「国内モード」。そんなわけで、先日のYBCルヴァンカップ決勝で敗れた川崎フロンターレについて、出発を前に考察することにしたい。

 本題に入る前に確認しておきたいのだが、私は決して熱心な川崎ウォッチャーではない。少なくとも、番記者のように川崎のすべての試合を現場で見ているわけではないし、今季の川崎の戦術や戦力についてはサポーターの皆さんのほうがよくご存じだろう。ではなぜ「通りすがりの取材者」である私が、川崎について語ろうとしているのか。それは去年から今年にかけて、彼らの落胆するシーンを立て続けに見てきたからだ。

 J1のレギュラーシーズン1位が懸かった、最終節のガンバ大阪戦。準決勝で敗れたCS(チャンピオンシップ)の鹿島アントラーズ戦。今年元日の鹿島との天皇杯決勝。そして今回のルヴァンカップ決勝。番記者でもないのに、初タイトルの夢を絶たれる試合をこうも立て続けに目撃していれば、いろいろと思うところもあるわけである。

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