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【TOPICS】岡本賢明選手 引退発表後のコメント

岡本賢明

正直、最初はあんまり興味がなくて、指導者には。C級ライセンスもなんとなくとったし、今受けているB級も「とりあえず取っておこうかな」というぐらいの気持ちで受け始めたんですけど。「やめたらどうするんだろうな」というのは、現役でいる時ってリアルには考えられないんです。だから、サッカーは好きだけど、関わり方としては自分がたまに楽しむくらいの関わりでいいのかなと思っていたんですけど、結局やっぱり、自分にあるスキルってサッカーしかなかったし、ここでサッカーを離れることは想像ができなくて。

だったら、熊本の子供達やこれからの選手たちを育てたり、自分が好きな、ここまでやって来たサッカーにずっと関わっていけるっていう意味で魅力を感じて。違う仕事しているのも想像できなかった。で、選手を続けるか、そっちの方に行くか考えた時、そっちに行くほうが自分にとってはプラスだと思ったし。選手としても、自分のなかではもう、一生懸命やったんで。そこはもう納得できたっていうか、ここまでやって(試合に)出られないんだったら、という感覚も多少あって、そっちにいこうかなと。

いろんな人と話をして、大抵の人は「自分が満足するまでやったほうがいいよ」って言うんですけど、よくよく考えたら、自分はもう満足するくらいやってるなって気づいたんです。もうちょっとできたかなっていう感覚があると、そういう気持ちにはならないと思うんですけど、自分のなかでは、自分の力、出し切ったっていう気持ちだったんで。妻にはずっと相談してて。最終的に決めるのは自分だから、「いちおう覚悟しといてね」、ぐらいの感じで伝えてはいました。

今年はちょっと、スタートで膝のコンディションをいいところに持っていけなくて。そのあとに半月板を怪我して1ヶ月半くらい離脱したんですけど、その間に監督が代わったりして。そこからは自分としても膝のコンディションは良かったし、体のキレも、夏ぐらいからはやりながら悪くないなという時期もあったんですよ。だから膝の調子が理由でっていうことではないです。今年と同じくらいの状態で、もうちょいできるのかなとは思ってました。ただ、できなくなってくることは多いです。毎年少しずつ、「あ、これはできないかな」というのはあったんですけど、でもその中でも、「まだできるかな」というのはありました。

やっぱり、ゲームに出ないキャプテンって、僕はあまり想像できなかった。清川(浩行:前監督)さんもすごく期待して役割を与えてくれたと思っているんで、その期待に応えられなかったということで、監督交代の時にはすごく責任を感じました。やるのは選手たちで、結果を出せなかったのは選手たちなのに、結局そうやって、責任を取るのは上の人たちというところで。キャプテンという立場で力の無さを実感して。そこからもう1回頑張ろうと思ったんですけど、やるサッカーも変わってきて。そのなかで、なかなかゲームに絡めなくて、キャプテンといいながらキャプテンらしいところは何もなく。どうなのかなっていう葛藤は、この2年ずっと、ありました。

僕は守備が足りないって昔からずっと言われてきたんですけど、僕の考え方としては、そこが足りない分、攻撃のところで変化をつけるっていう。そういうプレースタイルだったんで、チームの規律になっているところは最低限やりながら、攻撃のところで他の選手にはできないようなことを求められてきていたから。でも、それはもっと突出したものがあったら(試合に)出られただろうし。そこまでのことを見せられなかったのかなっていう感じですね。

サッカーが多少変わるかもしれないですけど、自分でも毎試合やっぱり、「俺が出ていたら、こんな簡単に相手ボールにならないようにできるのにな」とか。そういうイメージをしながら試合を見ていました。今までは自分のコンディションが上がったり、頑張ったりすれば試合に出られていたのに、今年は自分的に「いけるな」という感覚があって、「そろそろ出られるかな?」と思っていた中でも出られなかったんで、自分でも「今までとは感覚が違うなぁ」っていうのがあって。それは別に監督が悪いとかいうことじゃなくて、自分が、そういうことになっちゃったのかなっていう。イメージするパフォーマンスが自分ではできてると思ってたんですけど、周囲が求めるものとギャップができてたのかなぁっていう。使われないってことはそういうことなのかなって、思ってましたね。

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