kumamoto Football Journal

【TOPICS】3年ぶりに開催された「GLA年始キャンプ2023」

 年末にご紹介した、小中高校生のGKを対象とした「GLA年始キャンプ2023」。2日目の5日(木)午後は、中学生の部がスタートしたのと合わせ、高校生の「1DAYスクール」1日目のトレーニングが行われ、小学生から高校生まで、約25人の選手たちが現役Jリーガーの指導を受けた。

 このイベントが始まったのは6年前。熊本国府高校出身の六反勇治選手(横浜FC)が、「お世話になった地域に恩返ししたい」との思いでスタート。1年目は福岡県八女市、2年目は鹿児島県姶良市で行われ、3年目、4年目は上天草市で実施されている。2020年以降は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い中断されていたため、今回が3年ぶりの実施となった。

 当初は「RKARokutan Keeper Academy)」と称していたが、「自分がいなくなった後も続いていくGKアカデミーになっていけば」と、「ジーエルエー(ゴレイロズ ライフ アカデミー)」と改称。その背景には、「ゴールキーパーとしてのプレーを通じて、子どもたちが大人になってからも困難を乗り越えていくための姿勢を学んだり、人間性を身につけてもらいたい」との思いもあるという。

 約2時間のトレーニングは、グリッド内を動きながらの浮き球ハンドバスに始まり、投げる側がボールを転がしてのキャッチ、続いてキャッチからのローリングダウンと、少しずつ内容を実践に近いものに移行。その後、4(FP)対1(GK)の編成で、グリッド中央に置かれたコーンにボールを当てられるのを防ぎながらボールを奪いにチャレンジするメニューを行った後、ピッチ上に置いたボールをキャッチするトレーニングへ。このメニューでは、キャッチに行く際の姿勢やホールドした後のキープの仕方など、参加したプロの選手たちが自らの経験を踏まえてマンツーマンで指導する様子が見られた。さらにゴールを使ったシュートストップでは、2対1+GK、3対2+GKと人数を増やしながら、コーチングも含めたDFとの連携に取り組み、最後はミニゲームで締めた。

「当初はこのイベント単体での実施でしたが、熊本と鹿児島で定期的にスクールを始めたことで、そこに来てくれている子どもたちが参加してくれるようになって、成長を感じられるのも嬉しいです。ゴールキーパー同士、一緒に分かりあいながら、高めあいながらトレーニングできる環境はまだ少ないのが実情ですが、ゴールキーパーに求められる、『悔しいことがあっても立ち上がる力』やリバウンドメンタリティは社会人になっても必要で、ゴールキーパーを育成するというよりも青少年育成という面をイメージしています。そうした思いに賛同していただいて4つの企業に協賛いただいているのもありがたいこと。参加した子どもたちとその保護者、協力してくれるプロ選手やスタッフなど、みんなが喜べるイベントに育てていきたい」(六反選手)

 学校のサッカー部のコーチに薦められて参加したという県立済々黌高校2年の大村悠生君は、「プロ選手の本気度の高いプレーだけでなく、同世代のGKたちと一緒にトレーニングできたことが刺激になった。シュートを警戒しながらも、ドリブルやスルーパスを予測して味方にコーチングすることの大切さが分かったので、チームでのプレーに生かしたい」との感想。参加した子どもたち、高校生たちにとっても貴重な機会となった。

 

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