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中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】春を告げるお菓子、春を告げる大掃除

こんにちは!ドイツの日常コラム「ゆきラボ」、前回からちょっと間が空いてしまいまして申し訳ありません。次男が風邪を引き、それがちょっと重症で長引いてしまったことと、他の仕事の繁忙期とが重なってしまったのが遅れた理由です。

次男はもう14歳なので、小さい頃のように、熱を出したら付きっきりということはなくなりました。熱があるのに遊びたがるとか、体調が悪くてぐずるとか、そういうことをしなくなった分、看病はちょっと楽になったと思います。基本的には薬を飲んで胃に優しいものを食べて、1人で部屋で休んでいてくれますから。

とはいえ、体調が悪化したときにはもちろん大人の付き添いが必要です。1人で病院に行ったり検査を受けたり薬局に行ったりするのはまだ無理なので、仕事を休んだり、病院に付き添ったり、食べられそうなものを買いに行ったり、いろいろしているうちに3月も折り返しを過ぎました。

さて、次男が体調を崩す少し前のことですが、友人宅でこんなスイーツを頂きました。「セムラ」スウェーデンのお菓子です。少し前に日本で流行したイタリアの甘いパン「マリトッツォ」に似ていますが、ふわふわしたマリトッツォに対して、セムラは噛みごたえのあるパン生地に、爽やかな香りのカルダモンが練り込んであります。中身は生クリームと、ざらっとした食感のアーモンドペースト(マジパン)。

このセムラ、実はマンガONE PIECEにも登場するのですが、そこでは甘い甘ーい甘ーーーい、もはや危険なレベルのお菓子として紹介されています。初めて食べてみた本物のセムラは、パン生地やアーモンドペーストそのものがしっとりと程よい自然な甘さで、とっても美味しく頂きました。といってもこれは友人夫妻の手作りなので、市販品はもっと甘いのかもしれません。

キリスト教圏では、キリストの復活を祝うイースター(復活祭)の少し前に、カーニバル(ドイツ語ではファスナハト、ファッシングなどと呼ばれます)が催されます。カーニバルからイースターまでの期間までは断食の期間とされ、この期間、敬虔なキリスト教徒には、食事量を減らしたり、甘いものをがまんしたり、動物性食品を断ってベジタリアン生活をしたりと、それぞれの判断で何らかの節制をすることが求められます。ただ、いかんせん私の周囲には断食をするレベルの敬虔なキリスト教徒がいないので、実体は正直よく分からないのですが……

この断食の前に、ドイツではベルリーナー(名前は地域で異なります)と呼ばれる甘い揚げパンを食べる習慣があり、一方のスウェーデンではこのセムラを食べる習慣があるのだそうです。どちらも「こってり甘い美味しいものをいっぱい食べて、そのあと断食がんばろう」という趣旨の習わしですが、現代では、ベルリーナーは一年中、セムラも冬から春頃まで店頭に並ぶスイーツになっています。

以前こちらのコラムでもベルリーナーをご紹介したことがあります。で、当時の記事を見返していて衝撃だったんですが、2022年2月の時点で、粉砂糖をまぶしただけの普通のベルリーナーってまだ1つ1ユーロくらいで買えたんですね。写真を見ると、トッピングつきのカーニバル限定フレーバーのベルリーナーが1.8ユーロから2ユーロくらい。

そこから3年経って、2025年のカーニバルでは、普通のベルリーナーが1.5~1.8ユーロくらいと、当時の限定版くらいの値段になりました。そしてカーニバル限定版は2.7ユーロから3ユーロほどに。お祭りのお菓子にもインフレの厳しさが押し寄せていることを実感してしまいます……。

春を告げるお菓子をご紹介したあとは、もう1つ、ドイツの春の習慣をお届けします。

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