【サッカー人気1位】渡邊凌磨はキープレイヤー もちろん、セレッソ戦で出場する可…

中野吉之伴フッスバルラボ

【現地取材】「欧州チャンピオンズリーグはものすごく面白い」ということをもっともっと報じてほしいと現地から思う

▼ CLが話題にならない日本

チャンピオンズリーグはサッカーにおける世界最高峰の舞台。これは今もこれまでも、そしてこれからも変わらないだろう。

2月には決勝トーナメント進出をかけてプレーオフが繰り広げられたが、ただ現地のヒリヒリ感と比べて、日本での取り上げられ方は何となくジトっとした感じがなかっただろうか。速報系のニュースばかりで掘り下げ物がほとんどないのは今に始まったことではないかもしれないが、それにしても...と思うところは正直ある。かなりある。

日本人選手が絡んでいないと企画を通すのはほぼ無理というのも寂しい。さらに日本人選手が出場していても、結構な活躍をしていても、それだけでは企画として成立しにくいのが現状ではある。需要と供給がそれを導いているといわれたらそれまでだけど、とはいえ、サッカーを通して見えてくること、学びになることってたくさんあるはず。

バイエルン対セルティック、ドルトムント対スポルティングの2戦を連日で現地取材に訪れた際に、スタジアムの熱気の中そんなことをぼんやりと考えていた。前田大然と旗手玲央はセルティックでフル出場。伊藤洋輝はベンチ入りも出場なしで、守田も負傷欠場という事情があったとしても、サッカーダイジェストWEBで前田旗手について1本ずつ書かせてもらえた以外は寄稿先がなかったし、探そうにも見つけられなかったことに危機感以上のヒヤリとしたものを感じている。

もちろん頑張っているメディアもある。フットボールZONEさんでは《日本サッカーの未来を共に考える》を新たな旗印に掲げ、サッカー界の未来を支えるメディアを支えると発表していて、僕もモラス雅輝さんや岡崎慎司さんとの連載企画を担当させてもらっている。REALSPORTSさんではいつも社会的な提言を含んだテーマを企画で通してもらっている。感謝の思いは強い。

ただそれでも一般的な流れとして、日本人選手が出ていようが出ていまいが、そのスポーツにおいて世界最上位における大会において話題性がそこまでないというのは驚きでもある。

でも日本の人にとってはその感覚が平常のものだから、驚かれたところで「なんで驚いているの?」となるわけで、それもまた一つの正しいリアクションなわけだ。好みは人それぞれ。メディアが需要のある所へアンテナを張るのは当然。

そんなことはわかっている。ただ、せめてサッカー専門誌/専門サイトを名乗るところには速報系記事や翻訳系記事ばかりではなく、現地で取材をして確かな知見を元にかかれた、クオリティを伴った記事が並んでほしいなと願うのは許してもらいたい。「ちゃんと取材して書いてますよ!」という記事とそうでない記事との違いが《現地発》の言葉が付くがどうかだけでは弱すぎないだろうか。

ないなら自分で作り上げていくというのを考えていかなければならないこともわかっている。いま間違いなく分岐点に立っている。僕も、日本のサッカーメディアも。

▼ CLリフォームがもたらしたもの

せっかくなので試合の深掘りをしていこうではないか。セルティックはこれまでのフォーマットだったらグループリーグで敗退常だった。今季に関しても9月のドルトムント戦では2-9の大敗を喫している。4チーム構成のグループでは一度大崩れするともう取り返すチャンスはほとんどない。戦い方を熟知している強豪クラブとの差は大きく、大金星やジャイアントキリングはグループリーグでほとんど起こらないシーズンが続ていた。

それが今季はどうだろう?

バイエルン、レアル・マドリード、マンチェスターシティといったクラブがダイレクトでの決勝トーナメント進出を逃し、プレーオフを経てその権利を手にしなければならない。レアルとシティにいたっては、タイトルを争うだろうと予想されていたクラブ同士がプレーオフで対戦し、どちらが消えてしまうという怖さ。

一方でメガクラブほどの規模ではないクラブにとって、新CLフォーマットはメリットが大きかった。力の差が歴然としているクラブとばかり戦うのではなく、勝ち点を現実的に狙える試合との対戦が増える。たとえバイエルンやバルセロナといったクラブに大敗しても、それ以外の試合で着実に勝ち点を重ねたら、十分プレーオフ圏内に入れる。

これまでのグループ6試合から2試合増えたことで、CLでの経験をつめる意味もある。逆にグループリーグから強豪クラブ同士の試合も増えたことで、思ったほど勝ち点を伸ばせずに苦しむクラブも出てくる。

今年はリフォーム初年度だったことでうまくアジャストしたクラブと戸惑いを抱えながら戦ったクラブの差が大きかったのは興味深い。これが来季以降のどのように変化していくのか注意深く追いかけたいものだ。

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