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中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】極右に投票した若者の話を聞いたら、全然他人事ではなかった件

こんにちは!ドイツの日常コラムゆきラボです。
先週に続き、今週もドイツで続く極右政党の躍進と、なぜ極右が支持されてしまうのか?について書いていきます。

つい先日、9月22日には、ブランデンブルク州で州議会選挙が行われ、オラフ・ショルツ首相率いる政権与党のSPDが僅差でAfDを上回って、最大議席数を獲得しました。ただし、世論調査によると、SPDに投票した有権者のうち4分の3は「AfDを勝たせたくなかったのでSPDに投票した」とのこと。現政権の政策を支持しているわけではないが、このまま極右勢力がどんどん成長してしまうよりは、何はともあれAfD以外に投票せねば、という意志が今回のSPDの辛勝に繋がったと言えます。

ブランデンブルク州は首都ベルリンを取り巻く地域。ベルリンは人口も主要機関も密集しているエリアなので、ベルリン市だけで一つの州となっており、それ以外の周辺の市区町村がブランデンブルク州を構成しています。州都はポツダム。日本人にはアジア太平洋戦争末期のポツダム宣言でおなじみの都市ですね。

ブランデンブルク州の観光スポット、シュプレーヴァルド。豊かな湿地帯や森を流れる川が首都ベルリンに注ぎます

テーマパークのようなかわいさですが、一般の住宅地です

シュプレーヴァルド名物は地元産のキュウリを使ったピクルス

先週取り上げたテューリンゲン州、ザクセン州、そして今回のブランデンブルク州は、3つとも1990年に東西ドイツが統一されるまでは東ドイツに属していた州です。一般的に、旧東ドイツ地域の方が反移民・反難民受け入れ・反EUの姿勢が強いとされ、AfDの支持が強いエリアだと言われています。

今回は、このドイツの東西格差と極右支持についてまとめてみました。まず、前回と同じポッドキャスト番組の「なぜこんなに多くの若者がAfDを支持するのか?」という配信回から、再びケビンの声を紹介します。

ベルリン市内の壁の跡。写真奥には壁の実物が残り、道路が作られた部分には石畳で線が引かれている

「自分は旧東ドイツ出身だけど、西で仕事をするときに出身が分かると、あからさまに見下したような態度をされたことが何度もある。東から来たっていうだけで、自分や自分の仕事の評価が下げられた経験もある」

このコメント、私にとっては少なからず衝撃的でした。私の住んでいるのはドイツの西のはじっこといってもいいエリアなので、周囲のドイツ人の大半は旧西ドイツだった地域の人です。何人か旧東ドイツ出身の人もいますが、そういうあからさまな差別の話は今まで聞いたことがなかったんです。

もちろん、私が今まで聞いたことがない=そんな話は存在しない、のではなく、そういう話をするタイミングがなかったか、そんな話はしたくなかったのか……いずれにしても、統一から30年以上も経って、未だに根強い差別が残っているということを知らずに生活してきた自分にとっては、非常に重たい気持ちになる話でした。

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