中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】7日間基準値とコロナテストの話

こんにちは!先日、サッカーの練習に行く直前になって次男が「シンガードスリーブがない!」と言い出し、捜索で大騒ぎになりました。前日の練習の後、靴下と一緒にクルクル丸まったまま脱いで洗濯に出したのが原因で、後から靴下を洗濯するときに発見されました。サッカーをするお子さんをお持ちのご家庭では、こんな光景も「あるある」でしょうか?うちだけの話だったら悲しいなあ……色は黒で薄手。丸めてしまうと他の靴下や下着に簡単に紛れてしまうので、ネオンカラーの超目立つ色の予備スリーブを買おうかと思っています。

イメージ写真 https://www.photo-ac.com/

さて、ここドイツでは、天気予報を見るかのようにこまめに7日間基準値をチェックするのが新しい生活習慣の一部になりつつあります。7日間基準値(7-Tages- Inzidenz)とは「その自治体内における、過去7日間の人口10万人あたりの新規感染者数」のこと。これが35を下回っている状態がコロナの感染をかなり安全なレベルにまで抑制できている状態とされ、かつては50を超えたら危険信号と言われていました。人口約20万人のフライブルクであれば、週に100人以上の新規感染者が出たら危険、というわけです。

ところが昨秋冬のドイツにおけるコロナ第2波、そして現在の第3波の以降、この基準値を大幅に超えるどころか、10倍近い数値をたたき出してしまう自治体が続出しています。従来の50というラインはほぼ役に立たなくなり、日常生活に制限がかかる数値が100~165に引き上げられました。ちなみに4月26日現在のフライブルクの数値は98.2。ドイツ全体平均の176.5からするとかなり低い水準ではありますが、かつて危険水域とされていた値よりもはるか上であることを考えると全く喜べません。

7日間基準値を赤色の濃さで表した地図。200を大きく超えている自治体が多数あります

長期間かつ多岐にわたって、日常生活が制限され続けるのは誰しももう限界。ドイツ政府と各州は、この7日間基準値によって、学校に行けるか、アマチュアスポーツが活動できるのか、どの業種がどの範囲内で営業可能なのか、プライベートでは最大何人までなら集まってよいか、などの基準を細かく定めました。7日間基準値の変動によって、どの程度生活が影響を受けるかは、人によって異なるため、天気に合わせて予定を立てるように、7日間基準値を気にしながら予定を立てることが日常になってしまった……というわけです。

フライブルク市のコロナポータルサイトで毎日更新される、7日間基準値。毎朝チェックしています

我が家の場合、過去3日間連続して基準値が100を超えると、現行のスポーツのトレーニングに大幅な人数やトレーニング内容の規制がかかります。現在週5で学校に行っている次男(……ということをわざわざ書かなくてはいけないくらい『学校が毎日ある』ということが普通ではなくなっています・涙)が週2回程度の分散登校になり、165を超えてしまえばホームスクーリングに逆戻りです。また、現状、2家族10人以下(14歳以下の子どもは人数に含まず)までなら家や公園などで会って遊ぶことができますが、100を超えるとそれも禁止。サッカーと野球をやる子どもを持つ我が家では、さきほど書いた98.2という数字、様々な面でかなりギリギリの数字ということがお分かりいただけるかと思います。

時間を追うごとに、長期間のホームスクーリングによる子どもや家庭への悪影響は拡大しつつあるので、現在、学校・幼稚園・保育園では、とにかく定期的かつこまめに学校で検査ができ、1日でも長く、そして1人でも多くの子どもがきちんと教室で授業が受けられる体制を整えることを目指しています。

上の写真は今週から導入された通称「チョコテスト」「ロリテスト」と呼ばれる簡易検査。名前は棒つきのチョコレートやロリポップキャンディから来ています。鼻や喉の粘膜の奥に1人ずつ綿棒を差し込む従来の方法に比べて、子どもが自分で簡単に、かつ安全に唾液を採取できるというのが売り文句です。

このテスト、綿棒を30秒間口にくわえて唾液を採取してから、その綿棒をクラス単位で1つの容器に入れて回収し、クラスごとにまとめて検査にかけます。10分ほどで判定が出、陽性反応が出たクラスだけ個別に検査を行って陽性者を特定し、医療機関につなげる、という仕組みです。次男の小学校では今週からこのロリテストを導入して、全校生徒・全校教職員の週2回の簡易検査を行っています。

イメージ写真 https://www.photo-ac.com/

学校での検査は、検査の精度や安全性も求められる一方で、ただでさえコロナ禍での学校運営に四苦八苦している教職員や検査スタッフにとっては、過重負担にならないことも重要なポイント。この方法だと、陽性反応が出ない限り、生徒一人一人の個別検査を行う必要もなければ、検査のたびごとに発生する膨大な量の個人データを管理する必要もないので、効率が良く、安全でコストも抑えられる検査方法として期待されています。

今のところ、毎回「今日も何も出なかったよー」と言って帰宅してくる子どもたちですが、自分たち自身を含め、どんなところで感染が出てもおかしくありませんし、また感染の再拡大で今できていることがいつ再び中止になるかもわからない状況です。予防接種を一日も早く!と念じたいところですが、接種の状況についてはまたいずれここでご報告させていただきたいと思います。

今週もありがとうございました!次回もぜひお読みください。

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