中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】静かな大晦日とクリスマススイーツの話

こんにちは!フッスバルラボ編集アシスタントのゆきのです。本日が2020年最後のゆきラボになります。読者のみなさま、今年もお読みくださり本当にありがとうございました。振り返ると今年はコロナの話題ばかりことばかりお伝えしてしまったような気がするのですが、来年はもっと違う話題、もっと明るい前向きな話題もお届けできるといいなと思っています。

聖歌隊に所属する友人が「今年は本当に本っっ当にサイレント・ナイト“よ」とこぼしていた通り、明日24日から始まるクリスマスの3連休は、結局ごくごくわずかな規制緩和のみの、静かな3日間になりそうです。規制緩和が認められるのは親族や近親者の集まりと教会での小規模なミサだけなので、日本人夫婦でドイツに親戚のいない、そして仏教徒の私たち家族には、どちらにしてもあまり影響のない話です。

ドイツの12月はこのクリスマスの3日間を中心に実家や家族で過ごし、年が明けるのを待たず年内には自宅に戻る家庭が多いです。新年を盛大に祝うのは1231日の夜から11日にかけてだけで、12日には早くももう仕事始め、州によっては(そしてコロナがなければ)学校も始まるという子どももいるためです。日本に比べると、大晦日や新年は、年をまたぐ時間帯だけは華やかに盛り上がるものの、それ以外はだいぶあっさりしている印象です。

イメージ https://www.photo-ac.com/ 離れて見ると綺麗ですが自分の真上だと怖いです

大晦日にはカウントダウンに合わせて盛大な花火を打ち上げるのがドイツの習わしなのですが、今年は多くの人が集まる年末の花火大会は禁止。個人で花火を購入して打ち上げることも禁止となりました。個人で買う打ち上げ花火というと、日本のみなさんはたぶん花火セットに入っているような可愛らしいものを想像すると思うのですが、ドイツの打ち上げ花火はサイズといい音といい派手さといい、とても大がかりなもの。一番小ぶりなものでも火薬の詰まった部分が缶コーヒーくらいはあり、本来は大晦日直前の時期にのみ販売が認められています。午前0時の時報をまたいで各家庭の庭先から花火が打ちあがる光景は、最初の数分だけは綺麗ですが、次第に煙が立ち込めてきて、すぐに何も見えなくなります。繁華街では人混みにも関わらず四方八方で花火が炸裂するので身の危険を感じます……そして翌朝は、新年の清々しさとは程遠い煙の濃い残り香と、花火の残骸が道端に山積みになるのです。

大晦日ですから、中には酔っぱらって悪ふざけをしながら危険な打ち上げ方をする人も例年後を絶ちません。また、より豪華かつスリリングな花火を求めて国外から法定の火薬量を超える花火を密輸入したり、花火を改造して使用したことによる事故も毎年起こっています。火の不始末や暴発による火災も珍しくないので、警察や救急・消防隊員にとっては毎年全く気の抜けないのがこの大晦日。ただでさえコロナで医療機関がひっ迫する中、花火で火傷したり耳を傷めたりする人の分まで面倒見切れません!ということで今年は禁止となりましたが、むしろ毎年多くのけが人を出しながら今まで規制らしい規制がされてこなかったことのほうが不思議に思えます。クリスマスだけでなく、大晦日も静かに迎えることになりそうです。

イメージ https://www.photo-ac.com/ 日本でも近年メジャーになったシュトレン

さて、話は変わって明日からのクリスマス連休です。ドイツでは、12月に入った頃からスーパーで小麦粉や砂糖、バターやドライフルーツや製菓用品などがセールで売り出されるようになり、甘いものが嫌いな人でない限り、老若男女多くの人が約1ヶ月間、手作りのクリスマススイーツを楽しみます。

日本に比べると、ドイツの食習慣として、日常の食事はとても簡単に済ませることが多く、出来合いのものを温めるだけということも珍しくありません。が、それほど普段手料理へのこだわりがないように見える人でも、クリスマスのこの時期のお菓子は結構みんなきちんと手作りします。共働き育児で忙しいママ友パパ友もキッチンに立ちますし、一人暮らしの学生や若者もちゃんとクッキーやケーキの型を買い揃えて作ります。クリスマススイーツは日持ちのするレシピが多いので、お菓子はクリスマスまでの約1ヶ月間、少しずつ自分で食べたり、友人知人に配ったり、自信作を交換したりして楽しみます。

イメージ https://www.photo-ac.com/ 

甘いものが貴重品だった時代には、この一年で一番日の短い季節のささやかな贅沢として、クリスマスの焼き菓子を楽しむ習慣もきっととても特別で大切なことだったのだと思うのですが、普段から美味しい甘いものが溢れている現代ではただのカロリー爆弾消費なのでは……いえいえ、そんなことを言うのはきっと野暮ですね。今まで忙しくてなかなか手が回らなかった我が家も、ロックダウンで時間ができてしまった今年は、このクリスマススイーツにチャレンジしました。家族全員が大好きだけれど作り方が難しいイメージがあってトライしてこなかったバニラキプフェル。レシピが知りたい方はこちらをどうぞ。卵ボーロをもっとホロホロと繊細にしたような食感で、バターとナッツとバニラの香りを利かせて焼き上げた三日月形のこのクッキー、軽くてあっという間に完食してしまいます。使ったバターの量のことは考えないようにします……

新年は16日(水)から再開予定です。みなさま、どうぞ心身の健康に気を配って、素敵なクリスマスと年末年始をお過ごしください!

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