「football fukuoka」中倉一志

世界の冨安健洋選手が雁の巣球技場に戻って来た意味。アカデミーの選手たちに伝えたかった想いと子どもたちが掴んだもの

懐かしいような、まぶしいような不思議な感覚だった。わずか4年半前、ここでJ2の選手としてプレーしていた冨安健洋選手が、いまや世界を代表する選手として同じ雁の巣球技場のピッチに立つ。当時から自分を厳しく見つめる姿勢に、近いうちに代表するであろうことは想像できたが、正直、短期間のうちにここまでビッグな選手になるとは想像できなかった。あっという間に地方のライターなどには手が届かない場所に行ってしまった、そんなことを考えていた時期もあった。

だが穏やかに、そしてアカデミーの選手たちを時に包み込むように、時に厳しい目で見つめる姿や、取り囲むメディアに対して真摯に対応する姿は当時と何も変わっていないことを窺わせるものだった。幾分、笑顔が増えたようにも感じたが、それは世界のトップリーグで活躍する自信の表れだったのだろう。

冨安選手からのアプローチで実現したという3日間の特別指導は、今の冨安選手自身が学んでいる「世界のスタンダード」を伝えることが目的ではあったが、彼の言葉の一つひとつに耳を傾けていると、その目的に併せて、サッカー選手としてあるべき姿をアカデミーの選手たちに伝えたいという想いも強かったことも窺えた。それはアカデミーでサッカーを学んでいる意味、サッカーに取り組むためのあるべき姿勢、その先を目指すことの大切さ。おそらく、普段はアカデミーの選手がおぼろげにしか感じていないことを、明確にするということもあったのではないかと思う。

そんな貴重な冨安選手の言葉、そしてアカデミーが今回の特別指導をどのように受け止めているのか、取材現場での貴重な言葉の一つひとつを以下に掲載する。冨安選手の想い、アカデミーの想いを、ぜひ、読んでいただければと思う。

井上孝浩アカデミーダイレクターコメント
冨安健洋選手(アーセナル)コメント

※「FOOTBALL ZONE WEB」にも寄稿させていただきました。
日本代表DF冨安健洋が思う「サッカー選手として一番大事な要素」とは? トップで戦い続けられる理由「世界一じゃない」

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