「football fukuoka」中倉一志

アビスパの名を背負って(亀川諒史)

内容:練習後の単独取材
日時:2016年2月6日(土)
場所:生目の杜運動公園陸上競技場

Q:厳しい大会でしたが見事な優勝でした。五輪出場おめでとうございました。
「ありがとうございます。始まる前は、メディアのみなさんや、ファン、サポーターのみなさんからの『厳しいのではないか』という声が大きかったように思いますけれども、逆に、その声を、いい方向に変えられたのではないかと思います」

Q:非常に劇的な試合が多かったですね。
「そうですね。試合を重ねるごとに、チームとして出来上がっているな、成長しているなと感じました。特に個人的に感じたのは、ああいう舞台というのは、あの短期間で、大きく成長できる舞台なんだなと感じました」

Q:ここからは本大会出場に向けての激しい戦いが始まります。
「僕自身は、個人としてく惜しい思いをしたこともありますが、半年後に、もう一度チャンスがあるということをプラスに捉えて、もう一度、0からスタートしなければいけないと感じています。アジアの舞台で、あれだけ成長できるのだと感じましたが、これが世界の舞台であれば、もっと、もっと成長できると思いますし、世界を相手にする機会はめったにないとも思うので、これからの自分のサッカー人生は、オリンピックに行くか、行かないかに、かかわってくると思っています。この半年間は、1日、1日が本当に勝負だと思える時間にしていかないといけないと感じています」

Q:井原監督は、亀川選手が感じた悔しさや、本大会へのモチベーションを、刺激としてチームに伝えてほしいとおっしゃっています。
「向こうで悔しい想いをした分、日本に帰ってきてからは、早くチームに合流したいという気持ちが強かったです。今年は去年とは違って完全移籍ですし、しかもJ1の舞台なので、気を引き締めなければいけないという想いと、チームとサポーターが僕を必要うとしてくれている気持ちが伝わってきたので、その人たちのためにも、自分は恩返しをしなければいけないという想いがあります。そして、アビスパ福岡の名前を背負って、オリンピックの舞台に立ちたいなと、いま強く思っています」

Q:アビスパ福岡に完全移籍を決断したのも、そうした想いが強かったからでしょうか?
「必要としてくれたという部分と、去年、レンタル移籍するにあたって、試合に出て、チームに貢献して、そしてJ1に昇格したいという想いがあった中で、それを実現することが出来て、そうした大きな経験が出来たチームで、何かを成し遂げたチームで、もう一度、J1という舞台でやってみたいという想いがありました。併せて、最終節や、プレーオフの会場でサポーターの皆さんが弾幕を掲げてくれたり、クラブも早い時期から声をかけてくださったりしましたが、これほど必要とされたのは初めてだったので、それも完全移籍の決断を後押しするものになりました」

Q:オリンピック出場も含めて、今年はレベルの高い舞台で、新しいチャレンジになります。どんなものを身に付ける必要があると感じていらっしゃいますか?
「J1とJ2では個の能力が全く違いますし、J1の印象は本当に個が強いなというものです。ですから、1対1でやられるのであれば、1対2の状況を作らなければいけませんし、J1のほかのチームに個の打開力があるのであれば、うちとしてはチームとして対抗していかなければいけないとも思っています。また、簡単なミスというのは絶対に無くしていかないといけません。J2なら相手が外してくれることも、最後のところで奪い返すということも出来ましたけれども、J1では、そこで一発で仕留められて、そこから相手に優位に立たれて、相手のリズムが出来てしまいます。そういう無駄なミスからの失点というのは、去年も少なからずあったと思いますが、そこは絶対に改善していかなければいけないところかなと思います」

Q:久しぶりの合流ですが、コンディションには問題はないようですね。
「そうですね。去年からオフなしで来ていますし、このチームの中では、一番コンディションがいいのではないかと感じています。ただ、少しメンバーも変わっていますから、井原監督の中には、やり方にプラスアルファしていこうと思っている部分もあると思いますし、そういう点では少し遅れている部分があると思うので、そういうところは、どんどん吸収していきたいと思っています」

【中倉一志=取材・構成・写真】
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