石井紘人のFootball Referee Journal

【飯田淳平主審前編】挫折と二級審判員の難しさと日本プロサッカー選手会から学んだこと。岩政大樹監督が言っていた「(2000年代は)レフェリーとの関係があまり良くなかった」も

無料/飯田淳平インタビュー:選手より過酷な国際審判員(FIFAレフェリー)の移動とAFCが求めるレフェリングとは?

――私も当時、編集部員としてモットラム氏の原稿を手掛けたことがあるので『強さ』というのを非常に覚えています。一方で、近年は『強さ』よりも『エンパシー』が求められていると思うのですが、当時と今の指導の違いは感じますか?

 

「レフェリーには『強さ』が必要というのは変わらないですし、今の方が『強さ』は必要だと思います。たとえば、『エンパシー』も『強さ』がないと『空気に呑まれる』ようになってしまう。それは『エンパシー』ではありません。

私はモットラムさんの指導を受けていませんが、その『強さ』を全面に出すことが求められているのかな? とは感じました。ただ、そうやって型にはめて、レフェリーに必要な『強さ』をまず作るのが、日本人には合っていたのかなとも思います。

2017年にレイさん(筆者注:レイモンド・オリヴィエ。イングランドのプレミアリーグやフットボールリーグ等の審判に関する独立組織PGMOLインストラクター)がJFAに指導に来られて、『フットボールとは?』という哲学的な部分から、様々なことを学びました。レフェリーにあるグレーな部分を私たちが任されていますし、任される責任もある。それは凄く成長できるチャンスで、フットボールの喜びもある。その反面で悩みも増えました。ということは根底に『強さ』は必要ですよね。『強さ』がないと、プレッシャーに呑まれてグレーな部分をホームとアウェイで忖度してしまうかもしれません。それは絶対にやってはいけないことです」

 

――2007年前後のJリーグの空気を、たとえば岩政大樹(現・鹿島監督)さんは「全体で言うと審判と選手の関係があまりよくない時代」(参照リンク)と語っていました。飯田さんは、そのタイミングでJリーグ担当審判員になり、今もトップレフェリーとしてピッチにいます。

https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=119243

 

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