大学の同期にはJリーグ選手がずらり!イルマトフの凄さとプレミアリーグのマイケルオリバーは・・・【佐藤隆治インタビュー前編】
「絶頂期のラフシャン・イルマトフは衝撃でした。こんなレフェリーがいるんだと。選手上がりということもあって、スピードが凄い。そもそもの体格も大きいですし、一歩の足のリーチも全然違います。当時は、インストラクターたちも『ラフシャンの動きを見習いなさい』と言っていましたし、ポジショニングは意識させられました。
ただ、当時の日本では、ラフシャンのような動きは求められていません。日本人は正確性を求めるので、ジャッジにすごく敏感だと思います。それは、選手もそうですし、ベンチもそうですし、サポーターもそうですし、メディアの方もそうではないでしょうか。でも、海外では、判定の〇×も大事なのですが、よりポジショニングを求められます」
「2010年にイングランドに行った時、マイケル・オリバーが24歳でプレミアリーグのレフェリーデビューをしたのですが、その時に年上のレフェリーたちが『マイケル・オリバーを2022年のワールドカップで吹かせる』って言っていたのをすごく覚えています。そこまで逆算すると、24歳でプレミアリーグを吹いていないといけない。育てるための割り当てでもありますよね。
そんな状況で、さらに年上のレフェリーたちがマイケル・オリバーを育ててもいました。たとえば、マイケル・オリバーは、試合後にサンダルで帰ろうとして、それを年上のレフェリーたちが『そんな生活態度ではダメだ』と戒める。まだ独身でしたから、食生活なども指導されていました。
レフェリーは、今日明日で生まれるわけではなくて、場数や経験数も大事で、さらに年功序列というわけでもない。育成の戦略も必要だなと思いました。当時の私は、2022年のことなんて考えていませんでしたから」
Jリーグで学んだプロとしてのゲームの着地とFIFA大会で痛感したAFC内のランキングの重要性と巧かった欧州のトップレフェリー【審判員インタビュー|第4回・佐藤隆治】