石井紘人のFootball Referee Journal

【2011PR合宿取材記】上川徹

上川徹は私の審判への価値観を変えた男である。

 

実は私は小中と熱狂的な鹿島ファンでした。鹿島サポーターの知人にレアだと言われるユニホームを持っていたり、94年時のビデオやDVDもあります。特に大好きだった長谷川祥之のDVDは又貸しされ、しばらく帰ってこない羽目にもなりました。そんな鹿島サポーターですから、当然、審判は大嫌いでした。ジーコのアキレス腱にスライディングタックルしたプレーにレッドカードを与えなかったシーンなどは、TV越しに審判に罵声を浴びせていたくらいです。

 

そんな私ですが、鹿島が秋田豊を解雇したことに、妙に冷めてしまって、鹿島愛がなくなりました。Jリーグからも徐々に遠のき、というより、その前の2002W杯もあまり記憶がない。スポーツバーで、皆で観戦したりもせず、仕事を普通にしていた気がします。2000年くらいから、サッカーから距離を置いていたように思います。

 

そんな、ある日。TVをつけると、Jリーグ大不況のなか、真っ赤に染まったスタジアムが映るわけです。血が騒ぐとでもいうのでしょうか? TVを見ることにすると、その試合の異様さと言ったら。その試合は浦和だったのですが、サポーターがまったく応援しない。エメルソンが得点を奪って、“いつもみたいに応援してくれよ”とアピールしても無視。レッズサポーターの友人に聞くと、「ふがいない試合に怒ったらしく、応援拒否を決めた」という。これに、なぜかサッカー愛が再燃し、今度は浦和の試合にハマりました。

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