【サッカー観戦術/ゲームの流れ】ゴールキックの2つの選択肢-ロングキックかショートパスか-
【サッカー観戦術/ゲームの流れ】
■ゴールキックの2 つの選択肢-ロングキックかショートパスか-
ゴールキーパー(GK)が蹴るゴールキックには、2つの選択肢があります。1つ目は、ロングキックで味方のフォワード(FW)やサイドラインにいる選手にボールを配球するやり方です。2つ目は、ショートパスで味方のセンターバック(CB)やセンターハーフ(CH)にボールを送るパターンです。
ロングキックで味方のFWにボールが収まる確率は、50%だと言われています。つまり、相手にボールが渡る確率も50%とになるのです。マイボールになる確率は、ショートパスでつなぐよりも低くなりますが、ロングボールのメリットもあります。ボールを敵陣遠くに蹴ることから、たとえボールを失ってもすぐに失点することは少ないのです。
その点、GKからショートパスで繋がれた場合、ゴール近くでボールを回すことになるので、相手にインターセプトされたら、すぐに失点してしまう確率も高まります。
ロングキックでボールが味方に収まれば、一気にカウンター攻撃に転じられます。また、ショートパスでGKからボールをつなげれば、後方からのビルドアップによって数的優位な状況を作ることも可能です。ボールを保持して回しながらゴールに迫る目的は、数的優位を作って得点を奪うことにあるのです。
ロングキックにおいて一番重要なのは、GKのキック力になります。正確なコントロールと飛距離をどこまで出せるのか。また、ボールを受けるFWのキープ力も重要になってきます。ヘディングとフィジカルの強さ。さらに、セカンドボールになった場合、ボールを拾う選手のポジショニングのうまさ。こうした点が噛み合って、ロングキックからの得点が生まれるのです。
ロングキックを蹴る際に、選手が一方のサイドに集まっている場面があります。これは、セカンドボールを拾いやすくするためです。人が密集する場所ならば、ボールを拾う確率も高まると考えるからです。
川本梅花