川本梅花 フットボールタクティクス

【試合分析】ショッキングな失点シーン…分析以前の問題とは【無料記事】J3第3節 #ヴァンラーレ八戸 3●4 Y.S.C.C.横浜 #vanraure #yscc

【警告の代弁】守備時の寄せに差、ショッキングな失点を招く

2019明治安田生命J3リーグ第3節
ヴァンラーレ八戸 3●4 Y.S.C.C.横浜
https://www.jleague.jp/match/j3/2019/032408/live/

3月24日の土曜日、明治安田生命J3リーグ第3節、ヴァンラーレ八戸対Y.S.C.C.横浜戦が、八戸のダイハツスタジアムで行われた。

ホームの八戸は、今季より大石篤人監督が就任している。フォーメーションは「3-4-2-1」の3バック。これは昨季と変わっていない。一方のYS横浜も、シュタルフ悠紀リヒャルトを新監督に迎えている。フォーメーションは「4-4-2」のダイヤモンド型。両チームのシステムを組み合わせた図は、以下の通りとなる。YS横浜は試合中、何度かポジションチェンジを行っているが、キックオフ時の形はこれである。

ショッキングだった23分の失点シーン

試合の流れを読む時、通常ならば、両チームのシステムを組み合わせ、メリットとデメリットを検証することから始まる。しかし、正直に言おう。この試合は、システムの組み合わせがどうかという以前の問題だ。八戸が敗れた原因ははっきりしている。まず、勝敗を分けたポイントを記そう。

試合のポイント

八戸とYS横浜では、選手の寄せのスピードと距離間に差がある。

八戸は選手の寄せが緩いため、セカンドボールのほとんどがYS横浜に渡っていた。

おそらく大石監督はハーフタイム、選手たちのプレーに相当に怒ったはずだ。これで怒らなければ、今後の勝利は難しいほど、守備が破綻していた。YS横浜の前線の3選手、もしくは2選手に崩される。特に深刻だったのは、YS横浜のFW進昂平とFW浅川隼人によるパス交換で崩される点だ。

YS横浜は12分、FW進のゴールで先制する。進がシュートを打つ前、八戸の寄せは緩かった。DFにとって最大の目的は、相手にシュートを打たせないこと。そう考えると、八戸MF新井山祥智とDF中谷喜代志は、もう1メートル、進に寄せる必要があった。

さらにショッキングだったのは23分、YS横浜FW浅川のゴールシーンだ。八戸は3対1の状況で、やすやすと裏に抜けられてしまう。

YS横浜GK古島圭人はフィードを得意としているようで、試合中、古島の蹴ったロングフィードは、ほとんど味方に渡っていた。23分の得点シーンも、古橋のフィードから始まる。八戸DF近石哲平の頭上を低い弾道でボールが通過。そのボールに対して最初に触れたのが浅川だった。浅川はドリブルでGK山田賢二と1対1になり、そのままゴールを決める。「あんなに簡単に裏を取られていいのか」と思えるほど雑な守備だった。

守備の破綻の原因は、ちょっとした気の緩みから集中力を欠いたのか、それともホーム開幕戦で動きが硬くなったからなのか。それは次節、3月30日に行われるザスパクサツ群馬戦を見ないと答えは出ない。

筆者は観戦予定なので、守備の破綻の原因を解明したいと考えている。

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