川本梅花 フットボールタクティクス

【インタビュー】#金弘淵(#キムホンヨン)「自分の力を出し切れているのかと言えば全く…ですね」【無料記事】#ヴァンラーレ八戸(@vanraure)から #奈良クラブ(@naraclub_info)へ期限付き移籍

金弘淵「チャンスの時はシュートを狙いたい」

金弘淵選手 2019シーズン新加入のお知らせ
http://naraclub.jp/archives/32278

奈良クラブからのリリースを知って「そうだろうな」と思った。

金弘淵(キム ホンヨン)は2018年にグルージャ盛岡からヴァンラーレ八戸へ加入し、12試合で4得点を挙げている。しかし、同年5月に負傷。回復するまでに5カ月間を費やした。新たな気持ちで臨んだ2019シーズンの金弘淵に出場機会は与えられていない。29歳になる流浪のストライカーは、これからの道をどこに求めるのか。このまま八戸に所属していても、おそらく試合で使ってもらえるチャンスはほとんどないだろう。大石篤人監督のFWの選択は、谷尾昂也か上形洋介のどちらかにある。実際に、得点を挙げている2人のFWを1トップ、あるいは2トップで起用するのは当然の選択だ。金弘淵は、いまある現実を受けて止め、これからどうすれば良いのか考えているはずだ。僕はそう察し、7月28日に行われたY.S.C.C.横浜戦の後、話を聞こうとして声を掛けた。

「え? 僕ですか?」

金弘淵は少し驚いた表情を見せる。

「そうだよ」と言ってバスに乗り込む足を引き止めた。

――八戸に来て1年間を過ごして今季で2年目になるけど、八戸はどんなチームだと感じてる?

金弘淵 いままで所属して来たチームの中では、一体感がすごく強いです。チームのために走る。チームのためにと考えてプレーする選手が多い。

――そうしたチームの中で、自分の力を出し切れていると思う?

金弘淵 今季はまだ出場がないので、自分の力を出し切れているのかと言えば、全く……ですね。

――それはなぜ?どうして試合に使ってもらえないのかな?

金弘淵 監督からは守備のことをよく言われます。まあ、いまは谷尾も上形も試合に出て点を取っていますから、そこに食い込んでいくには、攻撃でも守備でもひと回りもふた回りも成長しないといけない。そうしないと、2人の間に食い込んでいくのは厳しいと思っています。

――自分を自分でプレゼンテーションするとしたら、どう表現する?

金弘淵 得点力の部分と、どこからでもシュートを打てるということです。いま試合に出ている選手に、遠い距離からシュートを打てる選手はいないので、そこは自分が持っている、ほかの選手と違うところだと思います。あとはクロスに合わせるタイミングですね。

――自分の得意なポジションをあえて言えば?

金弘淵 1トップですね。

――八戸に来て、何ができて何ができなかったの?

金弘淵 去年は、シーズン初めから試合に使ってもらっていたのですが、ケガで5カ月間離脱してしまった。そこから試合に出られていないのが続いているんです。んーん、どうですかね。「何ができて何ができなかったのか」ですか。いま言えることは、自分のプレーをよりパワーアップしていくしかないと思っています。監督からも言われている、課題の部分としては守備のところなので、そこをもう少し突き詰め、こだわっていかないといけない。

――試合を外から見ていても学べることはあるだろうけど、サッカー選手は試合に出てナンボだからね。試合に出ないと始まらないよね。チャンスは少ないだろうけど、その時は集中していきたいね。

金弘淵 試合に出ないとコンディションも作れないですから。僕は、シュートレンジは広いと思います。チャンスの時はシュートを狙いたい。いかに良い準備をして、その時を迎えるかだと思います。

29歳の流浪のストライカーが、新天地の奈良クラブでどんな結果を残すのか。

「チャンスの時はシュートを狙いたい」と言った金弘淵には、きっとその機会が訪れるはずだ。

その時は、迷わずボールをゴールに叩きこめ。

川本梅花

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