つば九郎がJクラブマスコットに与えた影響を考える 「支えてきた社員スタッフ」への感謝と重たい教訓
今年のJリーグ開幕は、金・土・日と3日連続でハシゴ取材した。金曜日はパナソニックスタジアム吹田にて、ガンバとセレッソの大阪ダービー。土日はJFE晴れの国スタジアムとアシックス里山スタジアムにて、ファジアーノ岡山とFC今治の昇格初ゲームに立ち合うこととなった。
試合内容や選手のプレーも去ることながら、やっぱり開幕時のマスコットの働きぶりにも、どうしても目が向いてしまう。これはもはや性(さが)というほかない。
ガンバのモフレムは、今年でデビュー4年目ということもあり、ピッチ内での仕切りを一切任されている様子(ピッチ上でガンバボーイには会えなかった)。大阪万博のミャクミャク、そして大阪府のもずやんとのマスコット共演もそつなくこなしていた。肝心の試合は、2–5での敗戦。選手たちと一緒に肩を落として去っていく姿が、少し気の毒に思えてしまった。
岡山のファジ丸は、J1デビュー戦であっても固くなることなく、脚立を使ったパフォーマンスでスタンドを沸かせていた。だじゅうるさんからは「今までどおりのやり方でいけばJ1サポにも受け入れてもらえると思うよ!」とアドバイスを受けていたが(参照)、まったくもって同感である。
今治は、J2となった今季も非マスコット路線を貫くようだ。これまで、さまざまな先進的なチャレンジを続けてきたクラブだが、マスコットに関しては浦和レッズ以上に冷淡。ホームタウン活動やグッズ展開を考えたら、絶対にいたほうがいいと個人的には思うのだが。
開幕節でのXのタイムラインを見返してみると、全国のJリーグの会場から発信された画像や動画の多くに、マスコットが登場していることに気付かされる。これほど多くのマスコットが活躍する国内リーグというものは、世界的に見ても極めて稀有。そんなことをつらつらと考えていたら、先日、衝撃的な訃報が飛び込んできた。
これまで、つば九郎を支えてきた社員スタッフが永眠いたしました。
球団マスコットとして、ここまで育ててくれた功績に感謝と敬意を表します。
体調不良の発表以来、温かい励ましのお言葉をたくさん頂戴し、誠にありがとうございました。
今後の活動については、しばらくの間休止となることをお知らせいたします。
なお、皆さまにおかれましては、故人のプライバシーを尊重し、温かく見守りくださいますようお願い申しあげます。(ヤクルトスワローズ公式サイト「球団からのお知らせ」より)
野球音痴の私が、つば九郎のプロ野球界における活躍について、多くを語ることは控えるべきだろう。本稿では、Jリーグのマスコット愛好家という視点から、つば九郎(を支えてきた社員スタッフ)の功績と、私たちに与えた教訓について考察をめぐらせることとしたい。
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