平和都市に誕生した非日常な空間を愉しむ 写真で振り返る長崎スタジアムシティ探訪
2024年のシーズンを迎えるにあたり、私はひとつの目標を立てていた。それは「今年オープンする新スタジアムのこけら落としをすべて取材する」というものである。
エディオンピースウイング広島(Eピース)、金沢ゴーゴーカレースタジアム(ゴースタ)、そして長崎のPEACE STADIUM Connected by SoftBank(ピースタ)。今回はピースタを含む、長崎スタジアムシティを訪れた際に撮影した写真を通して、現地での非日常的な体験を皆さんと共有することにしたい。
ピースタを新しい本拠とするのは、J2のV・ファーレン長崎。私は2005年の九州リーグ時代から、このクラブを折に触れて取材している。こちらが19年前の長崎のトレーニング風景。バラバラの練習着、土のグラウンド、ほぼ全員が昼間は働いていたのでトレーニングは夜だった。
取材者として、この時代の長崎を知っているからこそ、ピースタのこけら落としは是が非でも立ち会いたいと思っていた。まずは試合前日、10月5日の様子から、ご覧いただくことにしよう。
空港で諫早市在住のWM会員、Kさんにピックアップしていただき、まずは稲佐山公園の展望台に連れていっていただく。ドローンを使わずに俯瞰のスタジアムを撮影するなら、ここが一番。
今度は浦上川の対岸から撮影。手前がピースタ、奥が長崎ヴェルカが使用するハピネスアリーナである。新スタというとピカピカのイメージがあるが、落ち着いた色調で周囲の風景にしっくり溶け込んでいる。
長崎駅から徒歩12分。新幹線が発着する駅から、最も近いスタジアムといえば、ここか日産スタジアムくらいだろう。奥にあるエスカレーターを登りきったら──。
駅からの来場者は、まずこの場所に立つことになる。向かって左側がメインで、メディアの入口もこちら。右側がビジターのゴール裏で、トンネル状の通路を抜けるとバックスタンドにアクセスできる。
「スタジアムシティノース」は併設されたオフィスビルのこと。バックスタンド側には「スタジアムシティホテル長崎」がある。これにピースタとアリーナを含めた総称が「長崎スタジアムシティ」だ。
各スタンドの名称はご覧のとおり。SoftBank STANDがメインでPEACE STANDがバクスタ。V-VAREN STANDがホーム側、WELCOME STANDがビジター側となる。
この日はBリーグのヴェルカの試合があったため、ありがたいことにピースタも一般に開放されていた。一部で立入禁止のエリアもあったが、それ以外は出入り自由。おかげで、あちこち撮影することができた。
PEACE STANDとWELCOME STANDの間の2階席から撮影。「スタンドからピッチが近い」「屋根が4面」というのは、最近のスタジアムではデフォルトとなっている。
1階席に降りてみるとソファが置かれていた。サッカーに集中するよりも、友人や家族と語らいながら、雰囲気を楽しみたい客層向けなのだろうか。
こちらがPEACE STANDの座席。すべてにドリンクカップホルダーがあるのがありがたい。前後のスペースにもゆとりがあり、気軽にトイレに立つことができそうだ。
PEACE STAND側に建つスタジアムシティホテル長崎。手前の屋根が透明になっているのは、ホテルから観戦したいゲストへの配慮である。
スタジアム観戦にビールは不可欠。ピースタは、ビールの醸造を行う日本初のスタジアムでもある。1階の醸造エリアでは10台のタンクが稼働しており、2階と3階のレストランエリアで作りたてのクラフトビールが楽しめる。
フードコートは1階と2階にあり、サッカーの試合がない日でも営業していた。それにしても、長崎ちゃんぽんや佐世保バーガーや角煮まんじゅうといった、ベタなご当地グルメがあるのがビジター的にはありがたい。
2階のフードコートにテーブルと椅子があり、食事をしながら観戦を愉しむことができる。コアサポは眉をひそめるかもしれないが、ライト層をリピーターにするためには、これくらい振り切ってもいい。
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