【無料公開】20代の若者にとってJリーグは魅力的なのか 令和の大学生が考える「就職先としてのJクラブ」<3/3>
■どうすれば若者をJリーグに呼び込めるのか?
──最後に、就活の話から少し離れて、皆さんの世代がJリーグをどう見ているのかをお聞きしたいと思います。皆さんは生まれた時からすでにJリーグがあったわけですが、どういうきっかけでスタジアムに足を運ぶようになったんでしょうか?
眞道 私の場合、もともとサッカーと関係ない習い事をしていたんですけど、小学生の時に合同発表会をした際にF・マリノスのチケットをもらったのがきっかけでした。中学生になってからは、趣味というよりも日常に近い感じで、毎週のように試合を見ていましたね。
神戸 私は小学校で仲が良かった友だちがフロンターレのファンで、そのつながりで私も試合に行ったらハマったという感じですね。その後、自分もサッカーをするようになってからは、あまりスタジアムに行けなくなりましたけれど、それからはTVでチェックするようになりました。
篠崎 僕の場合、FC東京ジュニアのアドバンスクラスに所属していたので、週末のホームゲームに招待してもらっていました。中学高校になると、自分の試合のほうが忙しくなりましたが、それでも時間を見つけてはスカパー!やDAZNで観戦していましたね。
──これはずっと言われていることですが、最近のJリーグはなかなか若者が観に来てくれないという状況があります。一方で「90分は長すぎる」と考える若者も増えてきているようですね。そのあたりについては、いかがでしょうか?
篠崎 日本はエンタメの競合が多すぎますよね。これはスポーツビジネスのゼミの先生もおっしゃっていたんですが、アメリカの場合だと週末の共通の話題は断然スポーツだそうです。ところが日本の場合、スポーツ以外のエンタメが充実していますから、そこで「サッカーを観に行こう」というのは、どうしてもファン限定になってしまっているように感じます。
──女子の間で、スポーツの話題で盛り上がることってあります?
眞道 ほとんどないですね。スポーツだったら、むしろ野球のほうに人気がある印象です。それと先日、友だちを初めてJリーグに連れて行った時に言われたのが「なんで試合開始の何時間も前にスタジアムに行くのかがわからない」って言われたんです。マスコットショーとかスタグルとか、サッカー以外にも楽しみがたくさんあるのに、あまり知られていないんですよね。
神戸 私の周りも、サッカー好きはそんなにいないですね。それこそ、ライブや映画好きはけっこういるんですけど、サッカーの場合はきっかけが少ないのかもしれない。10月にゼルビアの試合があった時、まったくサッカーを見たことがないゼミの友だちを招待したんですが、2人とも楽しそうにしていました。きっかけさえあれば、ハマる人はきっといると思います。
──ほかに「こうしたら若者を呼べるんじゃないか?」というアイデアはあります?
神戸 グッズ担当として入社する立場から言えば、試合がない日でも購入できる固定のグッズショップがあるといいかなって思います。それこそ町田駅の近くにお店ができたら、週末の試合に向けた告知にもなると思いますし。
眞道 若者を呼べるかどうかはわからないですけど、気軽に参加できるイベントがあると楽しいのかなって思います。金沢の研修にいった時、ホームゲームのイベントスペースで盛り上がっていたのが、ガチャガチャとかガラポンのコーナーだったんです。そういう参加型のイベントというのは、いずれ私も提案してみたいと思います。
──最後に篠崎さん、いかがでしょう?
篠崎 まずはSNSですよね。僕らがゼルビアのインターン募集を知ったのも、クラブ公式Twitterでしたから。僕が広報担当になるので、あくまでも一案としてですが、若者との接点になるようなSNS運用を考えていきたいと思います。
それと関連して言えば、町田市民にとってのゼルビアの知名度は高いとは思うんですけど、もっとスタジアムに足を運んでいただける余地があると思っています。新潟での最終節に行かせていただいたんですが、ビッグスワンに2万5000人以上が集まっていたんですよね。野津田のスタンドをブルーに染められるように、来年はさらに頑張りたいと思います。
──この次はぜひ、クラブスタッフとして頑張っている皆さんに、取材できればと思います。神戸さん、篠崎さん、眞道さん、今日はありがとうございました。
<この稿、了>