【無料公開】「サッカーで飯を食う」ことへの親の反応は? 令和の大学生が考える「就職先としてのJクラブ」<2/3>
■甲府のインターン生とのコラボ企画が実現
──ここからは、それぞれの成功体験や失敗体験を聞かせていただきたいと思います。今度は眞道さんから。
眞道 失敗体験は結構ありますね。社員さんに企画の提案を出す時、どうしても独りよがりになってしまうところがあって、結果としてご迷惑をかけてしまった部分があったようにも感じています。幸い、親身になって話を聞いてくれる社員さんのアドバイスもあって、ゼルビー関連の企画を成立させたこともありました。
──そういった社員さんとのコミュニケーションのとり方というのは、眞道さんがインターンの仕事での一番の学びかもしれないですね。
眞道 それは絶対にあります。何とか企画が形になったのも、社員さんとのコミュニケーションが上達したからだと思っていて、そこが自分にとっての成長だったと感じています。
──篠崎さんは、先ほどおっしゃった「天空の城」がひとつの成功体験だったと思うのですが。
篠崎 「天空の城」のリーフレットでは、初めて町田GIONスタジアムでサッカーの試合を観る方やアウェーサポーターの皆さんが、行きたいところにストレスなくアクセスできることを第一に考えました。そのためにどんな情報が必要なのか、イチから考えて社員の方々とのミーティングとフィードバックを重ねていきました。完成したリーフレットについては、SNSでもいいリアクションをいただきましたし、対戦相手のサポーターからも「ウチにもこんなのがほしい」と言っていただいたのはうれしかったですね。
──まさに「この仕事を選んで良かった」という感じですか?
篠崎 おっしゃるとおりです。それとホーム最終節がヴァンフォーレ甲府戦だったんですけど、研修で向こうのインターン生と交流した際に、スポーツ業界への就職を目指す同じ志を持つ者同士で、一緒に何かをやりたいという話になり、両クラブへ提案をさせていただきました。
実施した企画は、両クラブのサポーターから2022年シーズンの思い出の写真を募って、ゼルビーとヴァンくんのモザイクアートを完成させるというものでした。準備期間は1カ月もなかったから大変だったんですけど(苦笑)。それでも2000枚の写真が集まって、企画そのものを成功させることができました。
──こういうクラブ間のコラボ企画が、インターン主体でできたという経験は大きかったでしょうね。神戸さんはいかがですか?
神戸 私の場合はグッズ担当ということで、オリジナルのクッキーを作ったり、アパレルでパーカーやコーチジャケットのデザインを提案したり。幸いクッキーは完売しましたし、パーカーもご好評いただき、想定の2倍以上のご注文をいただきました。そういったお客さんからの良い反応をいただけたのは、ゼルビアのインターンをやっていたからこその成功体験でしたね。
逆に失敗というか反省点としては、今年の8月からインターンのリーダーをやらせていただいているんですけど、何でも自分でやろうとしてしまうところですかね。今はインターン生が17~8人くらいいるんですけど、周りの仲間を活かすことができていなかったように感じていて、そこは今でも自分の中での課題です。
──リーダーシップというのは、誰にでも得手不得手はあると思います。そういう経験がインターン時代から経験できたのは、良かったんじゃないですか?
神戸 そうですね。ただ、大人数をまとめ上げるというのが、自分にとってはすごく難しかったです。ミーティングは夜にやることが多いんですが、全員の時間が合わないと、つい「自分で決めたほうが早いじゃないか」って考えてしまう。もう少し、メンバーひとりひとりに役割を与えて、最終的にひとつにまとめ上げるのが理想的なんですけど。
──ちなみにリーダーは、どうやって決めたんですか?
神戸 岡田さんから「やってみないか?」って提案されて、それでお引き受けしました。リーダーになってからは2回、企画の提案をさせていただいたんですが、2回目については1回目の反省点が多少は生かされたと感じています。