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集客の波を作って3万人を目指すクリアソン新宿 シリーズ「JFL2000人の壁」の乗り越え方<2/3>

写真提供:クリアソン新宿

1試合平均入場者数が2,000人に到達し、かつ年間入場料収入が1000万円に到達していること」──。これが今季から改定された、JFLからJ3リーグに昇格するための入会要件である。

 この「JFL2000人の壁」を乗り越えるべく、J3ライセンスを交付されたクラブは、どのような戦略を立てて遂行するのか? 昨日のレイラック滋賀につづき、今回はクリアソン新宿の事業部長、卓間萌水さんにお話を伺う。

 クリアソンといえば、第12節に国立競技場でホームゲームを開催。金曜夜のキックオフながら、16480人もの観客を集めてJFLの入場者記録を更新した。その一方で気になるのが、入場者数3桁のホームゲームが、ちらほらあること。国立開催とのギャップが、非常に気になる。

 この疑念に関して、卓間さんの答えは「ウチはあえて集客の波を作っています」。具体的にはどういうことなのだろうか。クリアソンならではの集客の考え方について、さっそく耳を傾けてみることにしたい。(取材日:2024618日、オンラインにて収録)

クリアソン新宿

12節終了時15位(24分け6敗)平均:3,812

01節 沖縄SV●0−43,585人)

03節 ラインメール青森△1−1402人)

05節 栃木シティFC2−0680人)

07節 ソニー仙台●1−21,015人)

09節 ヴェルスパ大分△1−1709人)

12節 FCティアモ枚方●1−416,480人)国立開催

Jクラブを上回る着券率の高さを支えるもの

──卓間さんは今、ご実家のある鹿児島からリモートワークされているそうですね。いつからでしょうか?

卓間 家族の都合で、去年の8月からフルリモートでのテレワークをして、定期的に東京に出張するような感じですね。こうした形で働けることについては、会社に感謝しています。コロナでの大変な時代をクラブが経験したということも大きいですが。

──確かに。夫の卓間昭憲さんもクリアソンに勤務しているんですよね?

卓間 そうです。旦那も鹿児島の出身で、伊藤忠商事から6人目のメンバーとしてクリアソンに入りました。もともと人事の出身だったので、キャリア事業に携わっていたんですが、最近はファンクラブなどのToC事業全般のグループ長として働いています。私は執行役員兼クラブ事業部長として、法人営業を中心としたToB領域と試合企画やファンクラブなどのToC領域をマネジメントしています。

──ご夫婦で働いていることにも、クリアソンらしさを感じます。さっそく本題に入りますが、先日の国立開催のFCティアモ枚方戦では、16480人というJFL記録を更新しました。金曜夜の開催で、この数字は素晴らしいと思います。

卓間 ありがとうございます。会社としては大きく2つの新たな挑戦があって、ひとつは2万人を目指すということ、もうひとつが平日金曜での開催でした。後者に関しては、新宿にお住まいの人だけでなく、新宿に通勤や通学している人たちにも愛されるクラブになりたい。であるならば、金曜の夜を盛り上げられることは大切ではないかと思って「新宿の日’24 SHINJUKU NIGHT FOOTBALL」と銘打つことにしました。

──週末と比べて、平日のほうが国立を押さえやすいということもあったのでしょうか?

卓間 国立の稼働については、最近はJリーグが活用している以外に、他競技やコンサートなんかもありますからね。その意味で、上手く日程を調整させていただけてよかったですし、対戦相手のティアモさんからも、快く受け入れていただけました。

──チケット販売は初動で苦労したと聞いているのですが、実際はどうだったのでしょうか?

卓間 前回の国立開催は4月で、開幕から間もなかったのですが、今回は6月だったので準備期間の問題はありませんでした。ただ、チケット販売のピークは試合の23日前だったんです。土日の予定って早めに埋まりますけど、平日の予定って直前に決まる感じじゃないですか。

──金曜日に早めに仕事が終わって「じゃあ、飲みに行こうか」という感じですよね?

卓間 そうです(笑)。「国立でサッカーをやっているみたいだから、じゃあ行こうか」という感じですよね。金曜開催の場合、そういう気軽さみたいなのはあるんだなって思いました。

──この国立開催に関して、クラブが具体的な数字を公表していますよね(参照)。これによると個人・団体(Web、団体割、当日券など)が4248枚、企業協賛が9919枚、そして招待が6519枚とあります。企業協賛が最も多いのが特徴的ですね。

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