メンタルトレーニングを施せばPK戦に勝利できるか? 筒井香(スポーツ心理学者・BorderLeSS代表)<3/3>
■多くのJクラブがメンタルトレーナーを置いていない理由
──ここからは、サッカーに寄せて質問させてください。ご存じの範囲でけっこうですが、メンタルトレーナーやトレーニング指導士を入れているJクラブって、どれくらいあるんでしょう?
筒井 取り入れているクラブはあると思うんですけど、あまり公表されていないですね。選手が個人で契約している例もあるんでしょうけど。
──Jクラブはメンタルのところまで、なかなか意識が回らないというのが実情なんでしょうか?
筒井 順番ということでいえば、やっぱりメディカルスタッフのほうが優先順位は高くなりますよね。強化の予算は限られていますから、仕方のない部分もあるかと思います。それでも最近、メンタルトレーニングに対する関心は、以前と比べて高まっていることは実感しています。
──サッカーの選手や指導者と向き合う時、メンタルトレーナーとしてどういった部分を重視しているんでしょうか?
筒井 サッカーって、ミスを伴う競技だと思うんです。フィギュアスケートはノーミスを追求しますけど、サッカーはミスがあって当然という部分がありますよね。だからよく「ミスしたあとの切り替えが大事」という言い方をされますけれど、頭でわかっていても誰もがすぐに切り替えられるわけではない。ですから、日頃の練習から「ミスの捉え方」というものを作っておく必要があると考えています。
たとえばですけど、最初の2本のシュートを外して「今日は調子悪い」と思ってしまうFWの選手がいるとします。そういう選手って、確率論のバイアスにとらわれている可能性があるんですよ。そうではなくて、シュートを外してもやり続けること。やり続けないと、実力のシュート確率には持ってこられないということは、常に言い続けています。これはサッカーだけではなく、バスケットボールの選手についても同様です。
──シュートの精度って、それこそメンタル的な部分と分かち難く結びついていると思います。PKなんて、その最たるものですよね。2022年のワールドカップ・カタール大会で、日本はPK戦の末にクロアチアに敗れ、ベスト8進出の夢を絶たれました。もしご自身がスタッフで関わっていたとしたら、どんなPK対策を考えます?
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