いわきFCのマスコットはなぜ爆誕したのか? 「謎の卵を孵化させろ!」製作秘話<2/2>
<2/2>目次
*クリエイティブへのこだわりはドーム由来
*なぜタテノが主人公でイワシミズがヒール?
*ハーマー&ドリーは総選挙に参加するのか
■クリエイティブへのこだわりはドーム由来
──ハーマー&ドリーの一連の動画について、もう少し深堀りさせてください。私も映像業界にいた人間なのでわかるのですが、このクオリティを担保するためには一定以上の予算と時間とマンパワーが必要になります。要するに「片手間ではできない」クオリティだったわけです。J3に昇格したばかりのクラブが、マスコットのプロモーションに、これだけの予算と時間とマンパワーを注ぎ込む決断が、なぜできたんでしょうか?
川﨑 うーん、そこは答えづらいところですね(苦笑)。間違いなく言えるのは、地域とサッカーを愛する方々が、面白がっていろいろと頑張ってくださっていることですね。
──とはいえ、社長の大倉さんのGOサインがなければ、実現できなかったわけですよね? ということは、大倉さんは今回のプロジェクトに価値を見出していたと。
川﨑 もちろんです。先程も申し上げましたように、大倉自身もマスコットの重要性を当初から認識していましたし、マスコットのお披露目というのはクラブにとって「一度きりのイベント」じゃないですか。これは大袈裟な言い方かもしれないですが、スタジアムのこけら落としと同じくらい重要視していたと思います。
──なるほど!「スタジアムのこけら落としと同じくらい」という、思い入れと気合いの入れ方は素晴らしいと思います。それもクラブ社長が!
川﨑 クラブマスコットを作るからには、やっぱり人気者にしていかなければならないですし、クラブの明るい未来を創るような入念な準備も必要ですよね。そのためには、お金や時間や労力といったコストがかかるのは当然です。
──そうした考え方も素晴らしいと思いますよ。とはいえ、Jクラブとなって初めてのシーズン直前ということで、日常業務の負荷もこれまで以上だったはずです。その意味でも大変だったと思うのですが。
舘野 川﨑は大変だったと思いますよ。僕は身体を張っていただけですから(笑)。
川﨑 こういったクリエイティブにこだわりが持てるのは、アンダーアーマーの日本の総代理店である、株式会社ドームが作ったクラブだからでしょうね。アンダーアーマー自体、設立当初からストーリーファーストの考え方でブランドを積み上げてきた歴史がありますから。僕自身、ドーム出身の人間ですので、今回のクリエイティブへのこだわりという部分では、まったく違和感を覚えることはありませんでした。
──完成した動画を見た、大倉さんの反応はいかがでしょうか?
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