北海道でJリーグのダービーが実現する日を夢みて 矢野哲也(BTOP北海道代表取締役社長)<1/3>
昨日のコラムでも触れたとおり、日本サッカーの5部に当たる地域リーグはレギュラーシーズンがほぼ終わり、全社と地域CLのシーズンが始まる。それに合わせて当WMでも、ハフカテ(ハーフウェイカテゴリー)をテーマにしたコンテンツを積極的に発信。今週は、北海道リーグで2連覇を達成した、BTOP北海道の代表取締役社長、矢野哲也さんのインタビューをお届けする。
矢野さんは1984年生まれで札幌出身。北海高校卒業後の2003年、柏レイソルに入団するも2シーズン出番がなく、当時JFLだった愛媛FCに期限付き移籍する。2005年には愛媛のJ2昇格に貢献。しかし契約延長には至らず、そこでいったんサッカーとの縁が途切れてしまう。そして2022年1月、BTOPの社長に就任。その間の紆余曲折については、本稿をご覧いただきたい。
BTOPが設立されたのは2021年。1998年から活動していた「サンクFCくりやま」の運営移管先となり、2022年の北海道リーグを初制覇している。今季は北海道十勝スカイアースと最終節までデッドヒートを続け、最終節の直接対決を4-3という派手なスコアで勝利。見事、2連覇と地域CL出場権獲得を果たした(矢野さんのインタビューは、その直前に行われている)。
昨年の全社で、突如としてセンセーションを巻き起こした感のあるBTOP。その歴史と背景を紐解いていくと、北海道ならではの特殊事情が見えてくる。地域リーグファンはもちろん、「北海道といえばコンサドーレ」というJリーグファンにも、ぜひお読みいただければ幸いである。(取材日:2023年9月17日@札幌)
■BTOP北海道のホームタウンがある「空知」とは?
──今日はよろしくお願いします。いよいよ今度の日曜日、北海道十勝スカイアースと天王山があるわけですけども、勝てば逆転優勝となります。今季の北海道リーグは、どんな戦いだったんでしょうか?
矢野 十勝さんが本気でJリーグを目指すようになったのは、7~8年前くらいからだったと認識しています。それに対してわれわれは、北海道リーグに昇格して1年目で優勝しました。去年はノープレッシャーで戦うことができましたが、さすがに今年は十勝さんも目の色を変えて補強をしてきました。
──今季の北海道リーグの順位表を見ると、まさにBTOPと十勝の2強ですよね。リーグの下位だと、得失点差「-50」とかあります。
矢野 われわれも十勝さんも、けっこうな点差で勝つ試合が多かったですからね。将来のJリーグ入りを目指すクラブがある一方で、選手を確保するので精いっぱいというクラブもあります。地域リーグではわりとよくある話ですが。点差だけをみると簡単そうに感じますが、どの試合も難しいゲームでした。
──前回の直接対決は、十勝に0−3で敗れているそうですね。
矢野 そうなんですよ。完敗でした。北海道の2強による直接対決ということで、十勝ホームでは1100人ものお客さんが来場されていました。十勝さんの1強時代とくらべると、けっこう盛り上がっているので、北海道サッカー協会も喜んでいただいているようです。
──去年の全社や地域CLでは、特定の選手を応援する「個サポ」が多かったように思うのですが、BTOPのサポーターって増えています?
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