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「お金がない」から脱却(?)J2最古参クラブの逆襲 小島耕(水戸ホーリーホック代表取締役社長)<1/3>

 今週は水戸ホーリーホックの代表取締役社長、小島耕さんのインタビューをお送りする。本稿は、THE ANSWERでのこちらの記事のスピンオフ企画。記事の中で出てこなかった、小島さんの興味深いお話を再構成して、お届けすることにしたい。

 昨夜のザスパクサツ群馬戦の結果(●1-2)、第16節終了時点で45分け7敗の17位。成績面では苦しい戦いが続いている水戸だが、ピッチ外ではポジティブな話題が続いている。428日の決算報告会見では、初の売上10億円超えと4期ぶりの黒字決算を発表。

 さらに515日のシャレン!アウォーズでは「新しいフツウを子どもたちからプロジェクト~大豆ミートバーガー編~」が、明治安田地元の元気賞を受賞した。

 2000年にJクラブとなって以降、J1に昇格することもなければJ3に降格することもなく、J2在籍は最長の24シーズンとなる水戸。かつては「お金がない」クラブの代名詞(失礼!)とされてきたが、小島さんが社長に就任した2020年以降は攻めの姿勢を鮮明にしている。

 実は小島さんには、社長就任直後に取材させていただいている。当時はまだ「元エルゴラの小島さん」というイメージが強かったが、3年が経った今はすっかりJクラブの社長然としていて、とても頼もしく感じられた。そんな小島さんには、いろいろ聞いてみたいことがあったが、まずはご自身でもツイートされていたこちらの話題から。(取材日:2023416日@水戸)

シーズン移行は水戸にとってメリット? デメリット?

──先週、秋春制に移行のスポニチの記事に対して、ツイートされたじゃないですか。私が認識する限り、Jクラブの社長で反応したのは、小島さんと鹿島の小泉(文明)さんだけでした。意外とTwitterをやっている社長が多くないというのもあるんですが、きちんとリアクションしないといけないという使命感みたいなものが、小島さんにはあったのですか?

小島 あの記事が出た後、けっこうな問い合わせが僕のところにもあったんですよ。パートナー企業さんであったり、自治体関係の方々だったり。たとえばパートナー企業さんの場合、協賛金の支払いなどを年度会計で動かさないといけないわけですよ。

──当然「どうなっているんだ?」って話になりますよね。小島さんはメディアの出身ですけど、あの報道はリークだったと思います?

小島 なんともコメントしにくいです(笑)。メディア時代であればいろいろ考えてしまいますが(笑)。

──先々週、野々村(芳和)チェアマンにインタビューする機会がありました。それからJFLの加藤(桂三)理事長にも。おふたりの話を聞いていて思ったのが、少なくともJFAハウスではシーズン移行の方向に舵を切っているんだな、ということです。もちろん地域によっては、死活問題と捉えるクラブもあるとは思いますが。小島さんは、どう見ていますか?

小島 野々村さんも北海道コンサドーレ札幌の社長だったので、Jリーグのクオリティについては「もっと良くしたい」という思いはあると思います。特に、夏場の試合環境であるとか、選手や監督の移籍のしやすさとか。ただし、そこに商業的な匂いが入ってきてしまうと、ちょっと変な議論になってしまうとも思うんです。われわれとしては、メリットとデメリットを精査した上で、クラブとしてのスタンスを決めていこうとは思っています。

──水戸ホーリーホックで考えた場合、シーズンを変えることでのメリットとデメリット、どちらが大きいと考えますか?

小島 もちろん、デメリットを言ったらきりがないんですね。さっきも言ったように、パートナー企業さんの年度会計のこともありますし、高校や大学の卒業のタイミングのこともあります。ただし夏場の夜開催の場合、水戸の街にあまりお金が落ちないんですよね。

──そうか、J2は日曜開催が多いですからね。21時に試合が終わった場合、翌日は仕事だから、アウェイのサポーターなら飲まずにすぐに帰ってしまいます。

小島 そうして考えると、夏より冬の試合が多いほうが、われわれとしてはむしろありがたい、というのはあります。水戸の場合、そんなに雪は振らないですし、天気も比較的安定しています。冬の14時キックオフで16時に試合が終わって、18時くらいから水戸駅周辺で飲食を楽しんでいただいてから、お帰りいただくというのが理想的ですよね。

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