J1第9節全試合振り返りLIVE(J論)【4/7(月)22時】

宇都宮徹壱ウェブマガジン

関東リーグの地獄っぷりを当事者目線で語り尽くす! VONDS市原×栃木シティFC×南葛SC<2/2>

 

<2/2>目次

*元通訳に元高校サッカーの名将、監督も多士済々

*南葛がリーグ戦と同じくらい全社を重視する理由

*「鬼門」ゼットエーオリプリスタジアムの思い出

元通訳に元高校サッカーの名将、監督も多士済々

──ここからは2022年シーズンについて、お話を伺いたいと思います。栃木シティさんとVONDS市原さんは、今年から新監督を迎えることになりました。まず栃木の新監督に就任する、今矢直城さん。現役時代、ずっとオーストラリアやスイスでプレーをしていたみたいですが、この人に白羽の矢を立てた理由を教えてください。

大栗 今年からウチは、GPSデバイスで選手たちの動きをトラッキングするカタパルトを導入します。そこで取得したデータを分析するスタッフは確保しているのですが、トレーニングやコンディショニングに落とし込める指導者も必要ということで、今矢監督にはシーズンが終わってすぐに加わってもらいました。編成についても、早い段階からフィットする選手を選んでいるので、いいスタートが切れると思います。

──サッカーのスタイルも、かなり変わりそうですか?

大栗 そうですね。今のモンテディオ山形のイメージが近くなると思います。今矢監督は通訳兼コーチとして、横浜F・マリノス、清水エスパルス、そして山形でピーター・クラモフスキーさんと仕事をしていましたから。

──VONDSさんは、今年から布啓一郎さんが監督に就任。これまたすごいビックネームですけど、ゼムノビッチさんと同様、千葉県サッカー協会つながりでしょうか? 

永野 そうですね。布さんは地元出身ですが、千葉県からJを目指すということについて共感していただけました。今季の編成に関しては、すべて布さんにお任せという感じですが、しっかりとした補強をしてくれていると思っています。

岩本 布さんだったら、それこそ直電で移籍交渉できるでしょうね(笑)。

──教え子だけでチームが作れますよね(笑)。南葛さんは森一哉監督2年目ですけれども、これだけ元日本代表やワールドカップ戦士が集まったら、逆にやりにくさを感じるところもあるのではないでしょうか?

岩本 森監督自身、プレッシャーを感じていると思います。もちろん、1年ですんなり昇格できるようなリーグでないことは、僕も森監督に話していますけれど。実は僕が南葛のGMになって、監督を契約更新したのは初めてなんです。それくらい、森監督の指導方針はウチに合致したものだと評価しています。実際、今野泰幸からも「森監督の練習からは、ものすごく得られるものがある」という話を聞いていますし。

──それにしても今季の関東リーグは、非常にコンペティティブな顔ぶれですよね。JFL経験のあるブリオベッカ浦安、百年構想クラブになった東京23FC、さらには東京ユナイテッドFC、ジョイフル本田つくばFC、エスペランサSC、流経大ドラゴンズ、そして東邦チタニウム。

永野 実業団の東チタ、そして大学クラブのドラゴンズを除く8チームが、地域に根ざしたクラブですよね。限りなくプロに近いクラブもあれば、全員がアマチュアのクラブもありますが、これほど見応えのある地域リーグはないと思います。今年は有観客の試合も増えると思いますので、ぜひ多くの方に見ていただきたいですよね。

──そういえば栃木さんは、昨年あれだけ立派なスタジアムを完成させたのに、お客さんを入れた試合は3試合しかなかったそうですね?

大栗 そうなんですよ。今年からJ3ライセンスを得るために、平均入場者数2000人を確保する必要があります。来年JFLに昇格したとして、いきなり2000人というのは難しいですから、関東1部では1000人を目指そうという話は事業部でしています。地域リーグは入場料無料が多いですが、ウチはスタジアムにプラスの付加価値を付けることで、無料招待ではなく有料チケットでの入場者数1000人を目指します。

──その心意気は素晴らしいですね。ホームでの南葛戦だったら、それこそ3000人くらい集められそうですが。

大栗 南葛さんとのホームゲームでは、僕らとしても冠マッチにして、しっかり稼がせていただこうと思っています(笑)。間違いなくビジネスチャンスではありますので。

(残り 3159文字/全文: 4963文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2 3
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ