J1第9節全試合振り返りLIVE(J論)【4/7(月)22時】

宇都宮徹壱ウェブマガジン

本当にプロ化するの? トップリーグ  松瀬学✕島田佳代子<1/2>

 先週に続いて、昨年12月6日に開催された宇都宮徹壱WMイベント『サッカーファン歓迎! にわかも大歓迎! ラグビーワールドカップがもたらしたもの』の模様をお届けする。先週の第1部は、ノンフィクションライターの松瀬学さんとシンガーソングライターの篠原美也子さんによるトークを動画にて無料公開とした。今週は篠原さんに代わって、スポーツライターの島田佳代子さんに登壇していただき、有料テキストにてお送りする。

 第2部のテーマは、2021年の秋に「プロ化」が予定されているラグビーの国内リーグ、トップリーグについて。サッカーがメインコンテンツである当WMが、なぜトップリーグのプロ化を取り上げるのか。理由は大きく2つある。まず、ラグビー界がJリーグの成功をロールモデルとしている節が見られること。そしてラグビーのプロ化にあたって、どうやらサッカーとの施設共有を視野に入れる必要があるらしいこと。つまり本件は、われわれサッカーファンにとって、まったく関係ない話とは言えないということだ。

 第2部で登場していただく島田さんは、もともとサッカーでライターデビューしているが、今はどちらかというとラグビーがメイン。ちなみにお連れ合いは、かつてトップリーグのクボタスピアーズで活躍した、元日本代表の吉田英之さんである。まさに、このイベントにぴったりのゲストと言えよう。なお日本ラグビー協会は、今年1月28日に新リーグの参入要件を発表しているが、ぜひ松瀬さんのこちらの記事をご参照いただきたい。(収録日:2019年12月6日@東京)

<目次>

*シティ好き女子が英国でラグビーと出会うまで

*プロ化したら合計240日の代表合宿は組めない?

*きちんとお金が回っているプロリーグは少数派

Jリーグの「地域密着」はラグビーにも必要か?

*プロ化で最も重要なのは「面白い試合をする」こと

*五輪競技の7人制は15人制と「ぜんぜん違う」?

シティ好き女子が英国でラグビーと出会うまで

──第2部をスタートさせる前に、こちらの動画からご覧いただきたいと思います。おそらく2年くらい前に作られたもので、TVではなくネット限定で公開されていたようです。トップリーグの選手たちが、身体を張って「試合を見に来てください!」とアピールしているんですが、これがいろんな意味で興味深い内容でした。

──いかがでしたでしょうか。これを見て、個人的に面白く感じたことが2点。まず、トップリーグの選手たちが、自虐的と思われるくらい必死でアピールしていたこと。そして、彼らがJリーグの存在を非常に意識していること。第2部のテーマは「本当にプロ化するの? トップリーグ」としましたが、すでに四半世紀以上前に国内リーグをプロ化させたサッカー界の人間にとっても、これは非常に興味深いテーマだと思います。ということで、第2部の特別ゲストをご紹介します。スポーツライターの島田佳代子さん!

島田 島田佳代子と申します。よろしくお願いします!

──島田さんは、今でこそラグビーのお仕事が多いですが、もともとスタートはサッカーなんですよね。それもマンチェスター・シティの大ファンで、好きが高じてマンチェスターにも暮らしていたという。

島田 1999年から2007年までですね。実はその当時、ラグビーにはぜんぜん興味なかったんですよ。ただ、03年のラグビーワールドカップでイングランドが初優勝して、4年後の07年大会で準優勝しているんですね。ジョニー・ウィルキンソンというスーパースターもいて、それで自然とラグビーにも関心が向かうようになりました。

──島田さんがラグビーの本を初めて書いたのはいつですか?

島田 07年ですね。ちょうど一時帰国した時に、日本ではラグビーがマイナースポーツだったことにショックを受けたのがきっかけでした。それでまずはルールを勉強しようと思って、本屋でいろいろラグビーの本を買い漁ったんですね。その中には、こちらにいらっしゃる松瀬さんのご本もあったんですけど、なかなか女性向けのラグビー本が見つからなくて、「なければ自分で書こう」と(笑)。

──それが『i LOVEラグビーワールド』という作品だったと。

松瀬 ダンナさんと出会う前?

島田 この本を書いているときに、たまたま取材現場に居合わせていた人と、その後結婚することになりまして(笑)。

──で、こちらが島田さんにお持ちいただいた「お宝」です。ラグビー日本代表のジャージですけど、ちょっと今のものとは違いますよね。

松瀬 2000年代の初頭くらいじゃないですかね。

島田 そうです。自宅のロフトから勝手に持ってきたんですけど(笑)、素材がコットンでぶかぶかなんですよね。それから、これが07年のワールドカップ予選でダンナが着ていたものなんですけど、ウエスト部分にもゴムが入っていてとにかくピチピチなんですよね。最近のジャージは身体にフィットしすぎていて、選手は自分で脱げないくらいなんですよ。

──ということで、第2部の特別ゲストに島田さんをお招きした理由がおわかりいただけたかと思います。島田さんは、まずサッカーでライターとしての活動を開始して、母国イングランドでラグビー文化に触れきたというのがひとつ。そしてもうひとつが、お連れ合いがトップリーグでプレーしていた元日本代表だということ。このプロ化の動きというのは、やっぱり家族として気になりますか?

島田 もちろん気になります。

──ですよね。そんなわけで、第2部は松瀬さんと島田さんとでお送りしたいと思います。

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