kumamoto Football Journal

【TOPICS】浸透してきたクラブ理念を形にした、アカデミー出身者の絆。

立教・熊本「つなぐ」プロジェクト

企画したのは、立教大学2年の高山賢太郎さん。ロアッソ熊本ユース出身で、今季J1昇格を果たした松本山雅FCに移籍するMF米原秀亮が同期にあたる。そうした関係から、当日の会場には米原のほか、先輩にあたる坂本広大と池谷友喜、1期下の衛藤幹弥、宮本華乃(ジュニアユース〜兵庫・日ノ本学園高〜マイナビベガルタ仙台レディース)といったプロ選手のほか、熊本アカデミーで育った大学生らも姿を見せ、運営をサポートした。

このイベント開催のきっかけは、奉仕活動を行う学生を対象とした立教大学の「ポール・ラッシュ博士記念奨学金」の助成対象として、高山さんの企画が採用されたこと。自らも高校在学中に熊本地震を経験した高山さんが、地元の子どもたちのために何かできないかと発案した。

「ユース時代、Jクラブアカデミーの選抜チームなどに選ばれたことで他県のチームに友人ができたんですが、熊本地震の時には、そういった選手たちがたくさん連絡をくれたんです。自分自身、選抜チームに参加したときには、『熊本』や『ロアッソ』の代表として見られている感覚がありましたし、実際にロアッソ熊本のエンブレムに誇りを感じるようにもなりました。大学ではコミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科で地域をつなぐコミュニティづくりを学んでいて、熊本やサッカー、ロアッソといったキーワードをうまくつないで、何か形にできないかと思ったんです」

応募した企画の採用が決まったのは昨年6月初旬。以降、米原や衛藤、池谷らと連絡を取り合い、当日に行う内容を詰めていった。高山さんが所属する立教大学体育会サッカー部でも、同期や後輩の学生が企画の趣旨に賛同して協力。サッカー教室で行う練習メニューを考案したほか、県産食材を使った弁当を食べながら子どもたちと交流する時間も設けるなど、「自分が誇りに思っていることを肌で感じてもらって、それをまた子どもたちが同じように誇りに感じるきっかけにしてほしい」という思いで、プランを組み立てていった。

 

立教・熊本「つなぐ」プロジェクト

実際、参加した子どもたちはもちろん、保護者の方や協力した大学生たちも楽しい時間を過ごしたイベントになったようで、「7ヶ月半の準備期間は大変でしたが、企画してよかった」と高山さんも満足げ。「部活動ではなくユース所属ということもあって学校生活で我慢してきた部分もあったんですが、20年しか生きていませんけど、芯を持って生きてきたことが、良い形になって出せたんじゃないかと思います」と話した。

 

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