kumamoto Football Journal

【マッチレビュー】第18節 vs.群馬/終盤の失点で勝点2をこぼす。

20160612群馬戦

  • 明治安田生命J2リーグ第18節
  • ザスパクサツ群馬 1−1 ロアッソ熊本
  • 得点/黒木晃平(52分:熊本)、小林竜樹(90+2分:群馬) 

 

金沢戦で5−2とリーグ戦復帰後初勝利を挙げ、連勝を目論んで乗り込んだ群馬戦。先発11人、ベンチの7人とも金沢戦と同じオーダーで臨んだ熊本。「相手が思ったより(ボールを取りに)来なかった」(15日の練習後、嶋田慎太郎のコメント)ことで、立ち上がりからペースを握って優位に進める。

攻撃の連携やタイミングの共有もでき、19分に岡本賢明から黒木晃平、再び岡本、そして清武功暉とチャンスを作る。22分には清武の思い切ったミドルがポスト、そして23分には嶋田慎太郎の左足ミドルがクロスバーを叩くなど、落ち着いてボールを動かしながらもやや遠目からもシュートを選択する積極的な姿勢を発揮。

相手陣内でセカンドボールを回収できる場面が多かったことで厚みのある攻撃にもつながり、決定機での精度を欠いてはいたものの失点を招きそうな危ない場面はほとんどない。「焦れないことを意識して」(15日の練習後、高柳一誠のコメント)うまく試合をコントロールできていた。

ただ振り返れば、ペースを握っていた前半のうちに先制点が欲しかった。後半は群馬も前への圧が増してややオープンな展開になったものの、早い時間に先制に成功。金沢戦と同じく、左のタッチライン際で残してから中央を経由して逆へ展開し、黒木が中へ切れ込んで左足で2試合連続となるゴールを決めて均衡を破る。さらに直後にも片山奨典から岡本と決定機を迎えるも追加点ならず。

まだこのあたりまでは、ボールを動かすテンポにもワンタッチのアクセントが見られ、試合自体の主導権も握っていたように思える。

変化が見えたのは63分に群馬が小林竜樹を投入してから。68分にドリブル突破を許した場面など、徐々に押し込まれるようになったことに対し、高柳は「個人的な感覚だけど」と前置きして次のように話す。

「群馬の左右サイドバックは高く出てきたんですけど、相手のボランチ2人が後ろに下がってて。FWはコースを切ってくれていたんだけど、サイドで嵌めるのか持たせてどこかで取りに行くのか、それがうまく連動できなかった。だから後半に後ろで固めた、というより、そうさせられた、的な感じもします」

3バックで「逃げ切る」というメッセージをこめ、清川浩行監督が岡本に代えて薗田淳を入れたのは76分。もちろんピッチ内では、チャンスがあれば追加点を取ってダメ押ししつつ、点はやらずに守りきる、という認識だったはず。決して守りに入ったわけではなかったが、それでも全体が下がって出どころに対して間合いを詰めることができなかったことが、アディショナルタイムの松下裕樹のクロスと小林の同点ゴールにつながった。

「裕さん(松下)にも寄せきれなかったし、コースの限定もできてない。コースの限定だけでもできれば良かった」と高柳。「でも90分を通して見れば良い部分もあったし、細かいところを意識して継続していけば、自分たちのゲームができると思う」

この数試合、後半にやや運動量が落ちて全体が下がってしまう傾向が見られるが、無闇に攻め上がってカウンターを受けるリスクをコントロールしつつも、やはりボールを奪いにいく姿勢、少なくともコースを切るためのアクションやポジショニング、1歩の寄せは必要。

「全部が引いてしまうとやられるので、勇気を持って(ボールに)行かないと、前節みたいな失点は本当にもったいない」(嶋田)

残念な結果に終わったが、課題を再確認できたことはプラス。同じ轍を踏まないよう次に生かせば、意味のある勝点1になる。

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