中野吉之伴フッスバルラボ

【ゆきラボ】欧州選手権が開幕。今年は応援グッズを買って少人数で観戦しよう

こんにちは!水曜無料コラム【ゆきラボ】担当のゆきのです。

ドイツの初戦、対フランスを伝えるスポーツ紙「ビルト」

先週金曜日から欧州選手権が始まりました。本来であれば、ワールドカップや欧州選手権の開催期間中は街の風景ががらりと変わります。ドイツ代表の試合の日には朝からみんなどこかそわそわと落ち着かず、国旗をマントにした人やドイツカラーのフェイスペイントを施した人が早い時間帯から街中をウロウロし、試合が始まれば通りから人の姿が消え、パブリックビューイングやスポーツバー、自宅や友人宅など思い思いの場所で集まって仲間と試合を楽しみ、家々の開け放った窓からは歓声が聞こえてくる。それがこのサッカーの祭典のおなじみの風景でした。

始まってまだ数日の欧州選手権ですが、フライブルクの地元紙では“Abgespeckte Party(スリム化されたパーティー)”と報じられています。まずパブリックビューイングは規模の大小を問わず禁止。スポーツバーなどの飲食店が「欧州選手権LIVE!」「大型スクリーンあります!」などと銘打って客を呼び込むことも禁止。友人や家族との集まりも、最大3世帯まで・10人以下(13歳以下の子どもはカウントせず)に限られているので、それを超える人数や世帯数で一緒に観戦することもできません。“スリム化”とは、ここでは余分なものを省いたという状態ではなく、最低限のものしかないという寂しい意味で使われています。

2006年ドイツワールドカップのあるパブリックビューイング会場にて。こんなことも今年はできないわけです

とはいえ、逆に言えばこれだけの内容がここ1か月で急速にできるようになったわけで、飲食店は閉まり、友達もほとんど家に呼べず、夜間は外出禁止だったロックダウンの時期に比べれば、これでもずいぶん行動の自由が戻って来たとも言えます。欧州選手権始まったんだなあ、と感じられるようなにぎやかで浮き立った雰囲気には今のところ出会えていませんが、盛り上がっているのは間違いないんだろうと思います。それがいつもよりもずっとずっと少人数・小規模だから、見えにくいだけで。

飲食店でも試合を店内に流すだけであれば禁止されていないので、少人数の友人同士であれば、観戦できるお店を探し、そこでビール片手に試合観戦することはできます。ドイツでは現在 “getestet(コロナ検査済)” “geimpft(予防接種済)” “genesen(感染後回復済)”の3つが“3G”と呼ばれていて、3Gのどれか1つを証明できる人は、ほぼコロナ前と同じようなレベルで行動することが可能になっています。飲食店の営業も深夜まで可能になりました。

なにより、テレビに映し出されるスタジアムには、満員ではないものの大勢の熱狂する観客たちがいます。ボールを蹴る音や選手同士のやり取りが響き渡っていた空っぽのスタジアムではなく、観客の声援が満ちた空間があります。長い間無観客試合を見慣れてしまった目には、この光景が戻ってきただけでも「ようやくここまで戻って来れた」という深い感慨がこみ上げてきます。

この時期、スーパーマーケットにはお家観戦のお供が並びます。このウェブマガジンのバナーにも使っていますが、ドイツの国旗は黒・赤・金の3色横じま。この3色を取り入れるだけで一気にドイツ応援モードが高まります。欧州選手権限定パッケージのおやつやスナックの数々をご覧ください。

ネイルも各出場国の色でカラーリングできます

ボールとゴールの形のチキンナゲット

旗やメガホンなどの応援グッズ、こんなポップなアクセサリなども売られていますが、今年は売り場面積は少なめ。スタジアムやパブリックビューイングなど、外で応援するときに使うものはやはり需要が低いのかもしれません。

ちなみにこの手のグッズが登場するのは男子サッカーのワールドカップの時だけ。オリンピックはじめ他のスポーツイベントで、これらの品々が売り場の棚をにぎわすことはほとんどありません。この国で、いかにサッカーが特別、いや特別すぎるスポーツなのかがよくわかりますね。

試合の行方とともに、コロナ対策下で行われる今回の欧州選手権がどんな展開になるのか引き続きウォッチしていきたいと思います。

今週もお読みくださりありがとうございました!来週もよろしくお願いいたします。

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