【ドイツ便り】ドイツ生活が長くなることで日本食のレパートリーがものすごく増えたという話

牛肉の塊肉を軽く味付けしてオーブンでローストビーフ風に調理したものを牛寿司に。
▼ ドイツで暮らす日本人てどんなものを食べているの?
今回はサッカーにはあまり関係ない、ドイツでの生活についてを書いてみようかなと思う。
20年もドイツで暮らしていると、「ドイツでも日本と変わらずにできることがたくさんあるよ」というのは当たり前になっているけど、日本で暮らしている人からすると、「ドイツではどんなものが食べられるんだろう?」というのがやはり気になるようで。
日本食レストランはあるの?
そんなことをよく尋ねられるけど、基本家でご飯は作るものだと思っているし、日本食レストランがないから、日本食を食べないとか、食べられないなんてことはない。そもそも家料理をするという時点で、作ろうと思えば、大概のものは作れるのだ。
日本で作るように、とか、日本で使用している食材や調味料を使って、とかはもちろん当てはまらない。だってここはドイツだもの。
確かに一昔前、僕がドイツに来たばかりのころは、ドイツ人からの日本食に対する理解も相当低かったと思う。僕の先輩は海外仕様の炊飯器を日本で購入してドイツへ持ち込もうとしたけど、普通に税関で止められて、「なんだその機械は?」とえらく不審がられたそうだ。
「米を炊くための機械だ!」と主張しても、なんで米を炊くための機械が必要なのかがわからない人からしたら、そんなものあるはずがないみたいな解釈をされても不思議ではない。
極端な話だと思っているかもしれないが、極端に全く日本のことを知らない人が結構な数いたのもまた事実だろう。
一時期は日本から来たサッカー選手がいれば、「スシボンバー」という、おそらく書いたドイツ人記者本人は小粋だと思っているニックネームをつけて、盛り上げようとされていたことだってあるわけだ。それもそう昔の話ではない。
でもいまや世界は情報であふれている。
アジアの情報も、日本の情報も、普通に若いころから耳に入ってくる時代だ。
どんな街にも中華料理屋はあるし、焼きそばは安くて早くておいしくて、ドイツの学生に大人気。
長男・次男のクラスメートには、すしが大好き!という子だって普通にいる。
最近では普通のドイツのスーパーで醤油や海苔や日本米だって購入できる。怪しい銘柄のどこが輸入元かわからないような品物じゃないよ。キッコーマンの醤油だ。
もちろん日本で買うよりは高い。そりゃ高いよ。ここからすれば、外国ものなんだから。
日本のスーパーやコンビニのように品ぞろえはないよ。そりゃそこまではないよ。日本ではないんだから。
でも、こりゃ買えないというほど高くはないし、日本では買えなかったり、高いものが安く買えたりもするんだから、そこで比較するのもまた見当違いという話になるわけだ。
ドイツにいて手に入る食材や調味料を作っていろんな料理をいろんなやり方で試してみる。それが楽しい。
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