J3番記者座談会LIVE(J論)【4/17(木)21時】

中野吉之伴フッスバルラボ

カウンターもトレーニングできる。仕組みを知り、一人一人が完遂するために何をすべきかを理解し、ゴール前で1対0の状況を作る

自分たちから主導的にボールを奪いに行くのは「攻撃のプロセスの一つ」だ。

だから、ボールを奪い取ったときにはその勢いをそのまま攻撃へと移していきたい。サッカーは「カウンターか、ポゼッションか」と二極論で語られるものではない。チームの特徴に応じて傾向は出てくるし、局面における比率の割合が50%対50%になる必要もない。ポゼッションを完全に放棄するチームも、カウンターを完全に拒否するチームもない。だからこそ、どの局面、どの状況であればカウンターを効果的に発動することができるのか、あるいはボールを落ち着かせるべきなのかを知ることは、どのチーム、どの選手にとっても大事なことだ。

カウンター対策は明確に定義づけられている。

2010年のワールドカップ後の国際コーチ会議の段階で、「カウンターを完遂するための時間は7〜8秒しかない。攻撃の選手の守備への貢献が求められ、相手のペナルティエリア付近まで攻め込んだ後でもカウンターに対し、その短い時間内に7〜8人が自陣ペナルティエリア付近まで戻ってくる」とテーマに挙がっていた。

つまり、カウンターを成功させるためには相手よりも速くボールを持ち込みながら、7〜8人の相手の戻る動きを遅らせたり、揺さぶったリすることが大切になる。ノープランで周りの状況を考えず、がむしゃらに駆け上がるだけでは試合の流れにのれないし、体力的にも厳しくなる。味方がボールを奪われた時など、次の展開への備えも必要だ。

でもだからといって、「いまからだともう間に合わない」と思って足を止める選手ばかりだと、攻撃に厚みはできない。2次攻撃に加勢することもできない。その位置で足を止めずに20〜30mでも前に進んでいれば、そこにこぼれ球が転がって来て次の攻撃からチャンスを作ることができるかもしれないし、「素早く運んだけど崩せない、でもボールはまだキープできている」という時に新しい選択肢を提示することができる。カウンター時に加勢すべき選手の数、走るコース、スピードコントロールというのは重要な要素なので、トレーニング時から整理していく必要がある。

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