「football fukuoka」中倉一志

【無料記事】【記者会見 J1第1節 福岡-札幌】「勝ちたかったが守備の連動性は最初のゲームにしては良かった」/長谷部茂利

2024明治安田生命J1リーグ 第1節
日時:2024年2月24日(土)14:04キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/9,445人
結果:アビスパ福岡 0-0 北海道コンサドーレ札幌

◎長谷部茂利監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「結果的に勝点1を取れたのですが、ホームですし、開幕戦ですし、勝点3を取りたかった。とはいえ、自分たちが昨年までに積み上げてきた戦い方の良いところをだいぶ出すことができた。それは0失点に抑えたところ。そして守備の連動性のところは比較的最初のゲームにしては良かったんじゃないかなと思います。
ただ、やはりチャンスの数であったり大きさでいうと、『得点が取れたね』『そこで入れないと』というシーンがあったかと言えば、ありましたけれど、もう一つそこは課題だなというふうに思います。あとは新加入の選手たちも、それぞれ長所を発揮してというところでトライしてくれて、既存の選手とチーム一丸となって戦う意思であったり、繋がりみたいなものが見えたので、今後に繋げていきたいなと思います」

Q:前半は、連動した前からのプレスが非常に機能して、奪ってから素早く前へ運ぶ形も狙い通りにやれていたと思います。ただ後半は、その辺りで意図的にボールを奪う、ボールを運ぶということができなくなった印象があります。どこに問題があった、課題が残ったとお考えでしょうか?
「問題というよりも、相手が多分、ハーフタイムで少し変えて帰ってきた、話をして修正してきたところもあったと思いますし、体力的な面で少しファーストディフェンスのスピードが少し落ちた、質が落ちた、そういうところもあったと思います。
ただ、少しオープンな展開が増えていったと思うので、それも影響したと思います。スペースが少し空きすぎてしまったので、自分たちにもチャンスになりそうでしたし、相手がプレーを選んでいるというよりは、最後は特にサイドからクロスを入れる形に持っていっていたと思うので、そういうところに要因があったと思います」

Q:それでも体制を崩すことなく0で抑えたというところは、新しい選手が加わった中でも堅守を表現できたというのは収穫のひとつだったのではないかと思います。
「そうですね。自分たちのスタイルという意味では、前からプレッシャーをかける守備のところで何回かボールを取れてチャンスになりそうなという場面があったので、そこで決めていれば先制点が取れたし、もう少し後ろで前を窺うためのビルドアップができれば、もう少し落ち着いて自分たちの意図的な攻撃というものを出せたと思いますが、ただ、その辺が少しうまくいかなかったと思います。
あとはボールを持つことがことに長けている札幌さんにボールを持たれながらも、そこから崩されるというシーンはあまりなかったと思うので、十分に自分たちの準備してきたものや、選手たちの力が上がってきたところ、そして積み上げてきたところは見えた、そんなふうに思います」

Q:ボランチはスタートが前選手と重見選手という選択でした。この2人を選択した理由と、重見選手のプレーは期待に応えたプレーだったのか、交代した松岡選手の評価と併せてお願いします。
「まずスタートの2人ですが、練習、キャンプを見ていて十分にやれると。昨年も一緒にやっているコンビなので、そういう意味では良い面があるのではないかなという、そういう期待を込めてスタートしました。良い部分はたくさんあったと思いますが、重見についてはもう少しできる、ボールを取るところ、ボールを出すところ、この2つがもう少しできます。できるけれども、今日のところで言うと、試合中にも伝えたんですけれども、決定的な仕事の前の仕事なのか、そのものなのか、それができるかできないかというのは大きいぞと。多分、彼ができてたら今日は勝っていた。引き分けてしまったのは私の責任だけれども、勝ちに持っていく選手になれるから、そういう観点から言えば、今日は少し足りなかったねという、そういう評価です。(松岡)大紀については時間も短かったんですけれども、そこで勝負どころで出せるこれまでの彼のプレー、振る舞いなどを見れば、やはり最後は出したかったです。一度、良いボールカットからチャンスになりそうというか、攻撃の起点になったので、少なかったとは言え彼の長所が出たので、彼自身は当然、時間が短くて納得はいかないと思いますが、これからに繋がるんじゃないかなと、また繋げてほしいなと思います」

Q:今日は攻撃の部分でまだ課題が多いという中で、新たなシャドーの選手が深いところまで侵入したり、今までは少し違うパターンが見えたように感じたのですが、キャンプや練習でやってきたことが、もう少しできればよかったなと感じていらっしゃるところと、岩崎選手をフルタイムで使われた意図を教えてください。
「まず攻撃のところの変化というか向上については、今日はあまり出すことができませんでした。ただプレーそのものは、今ここで伝えることはできません。一つ言えるのは、攻撃の回数、ハーフラインを越えて相手陣内で攻撃をする回数が少ない。それを多くすることで、トレーニングしてきたことトライできるというところでいうと、それが少し少なかったです。また、これまでよりも向上したプレーを出そうとするあまり、今までやれていたことが少し潜んでしまった、なりを潜めるというか、少し出せなかったところがありました。選手が選択することで合わせなくてはならないんですけども、相手もありますし、そこは難しいところで簡単ではないのですが、そういう印象です。
岩崎のフルタイム起用については、最後の方にシュートを打ってチャンスもありましたし、あれだけ守備で貢献して、切り替えも早いし、攻撃での貢献というか、スペースにも出られるし起点も作れるし、何度かみなさん『おっ!』と思われるようなプレーもあったと思うので、それができる疲労の程度であれば私は最後まで使います。できるプレーができなくなったら交代するという意味では、今日は最後まで使ってもよかったんじゃないかなという判断で使いました」

Q:今日は結果として若手の選手や新加入の選手にすごく収穫も見えた試合だったなと思いますが、一方で、宮選手、グローリ選手、ベン カリファ選手と、おそらく期待をされていた選手が残念ながらベンチ外でした。彼らがいないことでどういう工夫をされて臨まれたのでしょうか?
「まず近い将来帰ってくると思います。コンディション不足で今日はベンチに入りませんでしたけれども、2節3節、試合がどんどん続いていく中で、近い将来帰ってくると思います。
私の場合は、今日のメンバーは今言われた3人に代わって出るのではないんですね。3人がずっとチャンスを待っていて、自分で掴んだ試合出場だと思っています。人数が3人で同じポジションだったら、なにか代わりみたいな感じでこういう場では言われるんですけれども、センターバックで言えば、彼らは今日は0失点に抑えました。ゴールキーパー、ベースラインを中心に、フォワードから自分たちで連動し、先ほど『前半はできていたよ』という言葉をいただきましたけれども、そういうことを選手たちに伝えてるので、十分にチャンスに応えたんじゃないかなと思います」

[中倉一志=取材・構成・写真]

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