「football fukuoka」中倉一志

【中倉’Voice】謹賀新年。根拠のない自信と言葉にできない不安を抱えてスタートしたあの日を思い出して今年も走り続けます

新年のご挨拶が遅くなりました。
みなさん、明けましておめでとうございます。旧年中は「web magazine football fukuoka」、並びに「アビスパ福岡情報番組 YouTube Live INSIDE FUKUOKA」をごひいきいただき、ありがとうございます。引き続き本年もよろしくお願いいたします。

さて、新年を迎えること60数回。この年齢になると新しい年を迎えたからと言って、何かを新しく心に誓うというようなことはなくなるものですが、今年は少し違う思いでいます。それには2つの理由があります。

昨年、アビスパ福岡はYBCルヴァンカップで優勝したのをはじめ、掲げた目標のすべてを達成しクラブの歴史を大きく塗り替えました。アビスパが掲げるロードマップのステップ1である「J1定着」のための最終年度は、長谷部茂利監督がチームを率いた4年間の集大成と言えるものになりましたが、それは一つのチャレンジが終わり、次のステップに向けた新しいチャレンジのスタートを意味しています。ここからの一歩は今まで以上の力が必要となる一歩。これまで以上の強い想いがなければ前へは進めないと感じているからです。

そしてもう一つの理由として我々メディアの環境の変化があります。SNSの発展によりメディアをめぐる環境が大きく変わり、何を、どのように取材し発信するのかという問題は、マスメディアも含めて我々メディア全体にとって大きなテーマになっています。さらに今シーズンからJリーグにおけるフリーランスの取材ルールが大きく変わります。そうした変化に対応して、みなさんに、何を、どのような形で届けるのかということを改めて考えなければいけないからです。

そういう変化の中で、自分に何ができるのだろうかという不安と、何か新しいものが始まるかもしれないというワクワク感と、その両方が私の胸に渦巻いています。こんな思いになるのは、サラリーマンとサッカーライターという二足の草鞋を脱いで、専業のサッカーライターとして初めて宮崎キャンプに全日帯同した2005年以来かもしれません。安っぽいウイークリーマンションに泊まり、毎晩のように近所のスーパーで見切り品になったパンを買い、右も左も分からず、けれども現地に行けばきっと何かが始まるはずだ。そんな想いで過ごした日々が思い出されます。

あの時のように、新しい答えを見つける1年にしたいと思っています。この年齢になれば、今の仕事をやめなければいけない日が確実にやってくることは意識せざるを得ません。けれども、まだまだやめる気持ちはありません。私がライターを専業にした時に憧れていた重鎮のライターの方々と現場でお会いするたびに、私が先に音を上げるわけにはいかない、そんな気持ちを強くします。そもそもやり切ったという想いもなければ、年月は重ねたものの何かを得たという感触もありません。

ということで、今シーズンも公式戦全試合取材を続けます。アビスパを愛するみなさんと一緒に、今年もアビスパとともに前を向いて歩いていきたいと思っています。そして自分に矢印を向けて、何か新しいものを見つけたいとも思っています。
至らないことも多いと思いますが、引き続きお付き合いいただければと思います。本年もよろしくお願いします。

web magazine football fukuoka 編集部 中倉一志

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