「football fukuoka」中倉一志

目標は開幕ベスト(井原正巳監督)

2016Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ
日時:2016年1月31日(日)14:03
会場:KIRISHIMAハイビスカス陸上競技場/4,285人
結果:鹿島アントラーズ2-0アビスパ福岡
得点:[鹿島]増田(4分)、昌子(68分)

Q:今日からキャンプがスタートします。改めて新しいシーズンが始まるにあたって、どのようなお気持ちでいらっしゃいますか?
「このキャンプでチームとしての戦術理解度を深めること、昨年のベースをしっかりと戻すこと、そして、新しいメンバーも含めて、プラスアルファのものを上手く融合させながら、このキャンプで開幕に向けての準備が出来ればと思っています」

Q:そのキャンプでの初戦が終わりました。感想を聞かせていただけますか?
「今日からキャンプで6試合をやっていくわけですが、初戦の鹿島は、昨年のナビスコカップを取っているチームですし、その強豪相手に対戦できたのは、いい経験になったと思います。0-2で敗戦という結果になりましたけれども、J1のレベルが高い相手だと、自分たちのミスが失点につながるということを選手も痛感したと思いますし、いい薬になったと思います。内容としては、まだまだ、これから高めていかなければいけない部分があると思いますけれども、そういったことを学べたということで、前向きに捉えていきたいと思っています。
昨年のキャンプも、やはり、スカパーカップの初戦が鹿島で、0-2の敗戦からのスタートではありましたけれど、今年は守備のところではオーガナイズできた部分もありました。ただ、攻撃のところはまだまだですし、鹿島相手にメンタル的な部分で負けていたというか、もっとチャレンジしろと言っていたんですけれども、ちょっと腰が引けたというか、遠慮がちなプレーが多かったですね。今年はこういう相手と1シーズン戦わなければならないので、強さというか、メンタルの部分での逞しさも求めていかなければいけないなと思っています」

Q:最初の30分ほどは静観されていましたけれど、その後は指示も激しくなりました。今日の試合で見つけた課題を教えてください。
「まだ練習を始めてから2週間しか経っていないので、まだまだ試合勘というのは物足りないところもあるんですけれども、球際の強さなどは、まずは試合をする上で最低限必要なもので、今日は、相手が強いということで、少し遠慮し過ぎた、リスペクトし過ぎた部分が多かったのかなと思いますね。ゲームをするのですから、戦わなければいけないところは、もっとしっかり戦わないといけません。鹿島の選手は、そこのところはしたたかにやってきましたが、我々も、もっと厳しさをもって戦わないと、本当にレベルの高いところは目指していけないと思います。その辺りで本当にフラストレーションが溜まったので、ハーフタイムには厳しく言いました。それでも、後半は我々のリズムで戦える時間帯もあったと思うので、そこのところは前向きに捉えたいと思います。また、今日は3バックで戦いましたけれども、キャンプでは残り5試合ありますから、ほかのシステムも、組み合わせを含めて試していきたいなとは思っています」

Q:逆に、今日の試合で新しい発見はありましたでしょうか?
「新しいシーズンになりましたけれども、組織的な守備というのは、ある程度、選手たちの頭、体が自然に理解しているところがあり、それを去年のベースに近づけて、さらに去年以上のものをキャンプで作り上げていけるなという手応えは、もちろん感じています。攻撃のところは、コンディションも含めてレベルアップしていかなければいけないのですが、そこのところは、今日の試合を見る限りでは、もっと高めていかないと、J1のレベルの高いDF陣がいる中でゴールをこじ開けていくのは難しいと思います。そこはゲーム中心にはなりますが、精度、コンビネーションも含めて高めていきたいと思っています」

Q:今日は冨安選手を先発で起用しましたが、その意図を教えてください。
「彼はU-19代表のロシア遠征にも行っているので、90分間プレーできる試合体力がありますし、明日からJリーグの新人研修でチームを離れるということも理由のひとつです。また、中1日で2試合が続くというところも含めて、いまいるメンバーの中で、一番早くコンディションが出来上がっているということもありました。もちろん、力もありますし、期待もしていますから、そういう判断の中で、今日はボランチでスタートさせました」

Q:本人は、かなりフラストレーションが溜まったようですが、今日の冨安選手のプレーは、どのようにご覧になりましたか?
「いや、随所にいいプレーもあったと思います。いきなりJ1の鹿島相手に気持ち良くプレーさせてもらえるほど甘くはないと思うし、こういう試合を経験して、相手のレベルを肌で感じることで選手は成長していくものだと思います。代表で海外を経験しているとはいえ、JリーグはJリーグで、また別なものがあるので、そういうところを実際に感じながら、より我々のチームで力をつけていってくれたらと思います。今日は(鈴木)惇とのコンビでスタートして、途中からスエ(末吉)が入ってボランチでプレーしましたが、DFもボランチも出来るし、まだまだ若い選手なので、こういう経験を活かして言ってくれればなと思います」

Q:今回のキャンプは、どのように取り組んでいかれる予定でしょうか?
「ゲームをやって休んで、あるいは少し戦術的なトレーニングをやってというキャンプになると思いますが、選手はゲームをやることで体力的にも、コンディション的にも上がっていき、ゲーム勘も戻り、チームとしてやりたいこと、戦術も浸透していくというのがあるので、そういう中でチーム力を高めていきたいと思います。また、個人的なレベルを少しでも上げるというのも、このキャンプでは可能だと思うので、そういう部分はミーティング等でも選手に発信しながら、少しでも改善したいですね。最終的には目標は2月27日の開幕の時にベストにもっていくことなので、それに向けて準備をしていきたいと思います」

Q:新たにチームに加わったダニルソン選手、イ ボムヨン選手は別メニュー調整でしたが、その辺りはいかがでしょうか?
「けが人の選手がいますし、新しく加わったダニルソン、イ ボムヨンは、まだゲームが出来る状態ではないので、その辺で、このキャンプ中にどれだけ戻せるかということも含めて、試せればゲームでも試していきたいと思います。また、戦術の浸透が必要になってくるので、もともといた選手との組み合わせも試していくつもりです。それが出来れば、昨年よりもパワーアップしたチームにはなると思うので、少しでも早くやれるようにしたいと思います」

Q:応援に駆け付けたサポーターの皆さんに一言いただけますか?
「負け星スタートということで、宮崎まで足を運んでくれたサポーターには申し訳なく思っています。ただ、この敗戦をしっかりと受け止めて、大事なのはリーグ戦本番だと思いますので、それに向かっていい準備をしていきます。今年1年、また力強い声援を期待していますので、よろしくお願いします」

【中倉一志=取材・構成・写真】
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