「football fukuoka」中倉一志

ともに笑顔を分け合った1日

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新春間もない9日。海の中道海浜公園で「海の中道新春もちつき大会」が行われた。今年で24回目を迎えるこの大会には、毎年、アビスパ福岡の選手が参加しており、今年は神山竜一選手と中原貴之選手の2選手が参加。餅屋さんの合いの手に乗って杵を打ちおろす神山選手のパワーと、毎年、実家で餅つきをやっているという中原選手の手慣れた杵捌きに、子どもたちを中心に、集まったファン、サポーターが熱い視線を送った。

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餅つきには子どもたちも特別参加。なかには、自分の体よりも杵の方が大きいのではないかと思われる子どもも、両選手と一緒に餅つきに汗を流した。この日、つき上がったお餅は、黄粉、お汁粉、大根おろしと、それぞれに味付けされ、連れ立ってやって来た親御さんともども、みんなで笑顔で味わった。なお、この日、ついたお餅は、餅つき大会に参加した人たちも含めて、来園者500名に振る舞われた。

餅つきの後は、併設されたテントに移って両選手によるトークショー、クイズ大会、じゃんけん大会が行われた。普段はスタンドからしか見ることの出来ない選手たちと間近に接することが出来るとあって、子どもたちは大喜び。両選手も、元気いっぱいの子どもたちの姿に目を細めながら、触れ合いの時間を楽しんだ。一問一答のコーナーでは「好きな選手は誰ですか」の問いに、神山選手が「いまは中原貴選手が好きです」と答えると、中原選手が「相思相愛です」と返して会場は笑いに包まれ、アビスパクイズにスラスラと応える子どもには、大きな拍手が起こった。

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そして、イベントの締めくくりは50名の参加によるサッカー教室。アビスパ福岡スクール推進部コーチの指導のもと、神山、中原選手とともにボールを追った。南国福岡とは言え、日本海に面する福岡の1月は寒い。けれど、寒さを吹き飛ばすかのように、子どもたちは笑顔でボールを追って走りまわり、両選手、コーチ陣も、その輪に入って同じ目線で体を動かすことを楽しむ。子どもたちにとっては、憧れの選手と一緒にサッカーが出来る最高の時間だ。

最後は4グループに分かれてのサッカーゲーム。まず盛り上がったのは、神山選手が参加する緑チーム。子どもたちとのイベントでは無類の子ども好きを発揮する神山選手は、この日も先頭になって子どもたちを盛り上げる。中原選手も負けてはいない。ピンクチームの子どもたちに積極的に声をかけて、子どもたちと一緒にゴールを目指す。コーチも、選手も、子どもたちも笑顔で一杯。ゴールが決まるたびに抱き合って喜びを爆発させた。

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時間にして約2時間ほど。楽しい時間はあっという間に過ぎた。そして、元気をもらったのは子どもたちだけではない。両選手ともに、子どもたちの触れ合いで力をもらったようだ。

「寒い中、子どもたちのあんなに元気な姿を見ることが出来て、自分たちにとっても力になりました」(神山選手)
「こういうイベントには、参加できる時には参加したいと、いつも思っているので、いい1日になりました。子どもたちのアビスパが好きだという気持ちが伝わってきて、改めて、やりがいのある仕事だと感じました」(中原貴之選手)

地域に住む人たちが憧れのプロ選手と触れ合うこと、そして、クラブが地域に溶け込んでいくことで、お互いの存在は欠かせないものになり、お互いに夢や勇気、力を分け合うことになる。それが出来るのも、自分たちの町にプロサッカークラブがあるからこそ。スポーツを通してクラブと地域が密接な関係になることで、地域がスポーツによって元気になっていく。改めて、町にプロサッカークラブがあることの意義を感じることが出来た1日になった。

【中倉一志=取材・文・写真】
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