石井紘人のFootball Referee Journal

国際親善試合 ベルギー×日本 アイディヌス審判団評:4

■主審:アイディヌス(トルコ)

 採点:4

 

試合は非常にスピーディーな立ち上がりに。

1分、香川のホールド。3分、本田のキッキング。7分にもしっかりとロールバックをとるなど、厳しくファウルを見極め、基準を全体に伝える。

11分には、アフターでキッキングした山口に厳しく笛を吹き、注意を与える。

35分のルカクへのファウルのロールバックも、ポジショニング、ジェスチャーともに的確だ。

一方で45+1分の笛は分かり辛かった。

58分の岡崎のチャージは、裏からということでファウルに。影響したと判断するとファウルとする、今日の厳しい基準通りだ。61分には副審が、主審の死角のホールドをとるなど、チームとしてのジャッジをみせる。第四審判も、タッチライン際でのエキサイトする選手をなだめる。

67分には裏からスライディングした本田に警告。90+1分にはFK前に全体にマネジメントを行なう。

 

 

厳しくファウルを見極める基準で、試合をラフにせず、妥当に進めた。親善試合として両チームにとって、秀逸の90分にした。レフェリングとしては、ファウルのようなチャレンジに見えても、影響していないと判断するとファウルをとらない欧州らしさも良かった。笛に対する、“私が決める”というポスチャーも強い。

また、それを受け入れる選手やスタジアムの姿勢が、試合をエキサイティングなものにしたとも思う。

 

 

 

遠藤の代わりをどうするのか?チームとして変化をどのようにつけるのか?

二つの課題をクリアしたのが、山口蛍の起用だ。

山口は遠藤よりプレッシング含めた守備力があり、細貝萌よりボランチとしてゲームを作れる。山口でスタートし、流れを変えたい時に、独特のリズムを持つ遠藤を入れる。

今回の欧州遠征の一番の収穫は、新たなオプションを手に入れたこと。そして、メンバーの入れ替えがあり、選手に競争の意識が芽生えたことだろう。

日本サッカー協会の原強化委員長が言う、「相手コートに近づいた組織的な守備。そこから攻撃をいかに仕掛けていって点を取るか。プラス、グラウンドを広く使った大胆なサッカー」は体現されていた。個人的に、追試は合格したと思う。

(残り 125文字/全文: 1013文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ