川本梅花 フットボールタクティクス

【無料記事】#宇留野純「サンクスマッチ」の後で【コラム】取材は #ケーズデンキスタジアム より

久しぶりの再会だった。

「宇留野くん」

と背中越しに声をかけた。

「やっと会えましたね」

宇留野純が答える。

「今は、何をやっているの?」

僕の質問に対して、宇留野は詳しく説明しだした。

「長谷川太郎と一緒に会社(TRE2030 Football Academy)を起業したんです。スクールを主にしていて、それ以外にも今回の[サンクスマッチ]の企画のように、僕らで立案してやらせてもらっています。会社は都内にあって、地方のクラブのマネージメントやコーチもやります。いろんなことやっていかないと、なかなか難しいんです(笑)」

そう言って、笑いながら宇留野は僕と会話を進めた。

「体は大丈夫?」

と僕が聞く。

「まったく問題ないです」

「よかった。安心した」

と僕が言う。

「梅花さんこそどうなんです」

「ああ、一ヶ月に一回、検査に行ってるんだ」

「そうですか」

と宇留野が返事をする。

僕と宇留野しか知らないことがある。それは、いずれこのサイトで話そうと思っているのだが、とにかく、僕らは数年ぶりに再会をして、次は、食事に行く約束をした。その場所は、和食を出す隠れ家っぽい佇まいで、板前が西村卓朗強化部長の幼馴染みだ。宇留野にとっても、西村強化部長は「三菱養和の大先輩」にあたるので、待ち合わせするのにちょうどいい店だと思う。

僕と宇留野の出会いは、ノンフィクションの取材からはじまった。

宇留野純のノンフィクションについては以下を参照されたい。

「神という名の光に照らされて~癌と闘う決意をもってピッチに立つ~」
https://www.soccer-king.jp/sk_column/article/295587.html

まだ、読まれていない方は、是非、お読みください。

僕は宇留野に「まだ、動けているね」と言う。

「ミニサッカーっていうか、そういうこともやっていて、来週ですね、国際大会があって南アフリカに行くんです」

「そうか、だから動けてたんだ」

僕たちはその後、握手をして次の再会を約束した。

僕は、宇留野が病気から解放されている姿に嬉しくなった。

それは、僕にとっても、励みになることだからだ。

川本梅花

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